入試に有利?―ボランティア―

<前回の続き>
「キミが志望の大学に推薦で行くには評定がわずかに足りない。あと一か月で何とかするにはもうボランティアしかない!」

部活も生徒会も文化活動も特にやっていなかったその生徒は、担任の先生にそう言われ、言うがままに、ある老人ホームへ2週間ボランティアに通いつめ、そこの館長から終了証をもらい、それを入試提出書類に入れ、見事推薦合格を果たしたのでした。

私はニコニコ顔で合格を報告に来た生徒へ言いました。

「自分の得点にするために老人ホームへねぇ…そして『推薦』でねぇ…」

「そうそう!わたし、高校から『推薦』されるぐらいいい子ってこと!」

「はぁ?どこがだよ!お前さ~、そもそもボランティアってどこかに証明書を出すためにやるものなの?」

「しょうがないじゃん!私にはこれしか道は残ってなかったんだからー!」

と、こんな感じで、今やボランティアは合格戦略の一つでもあるのです。

私の知っている生徒で、大震災後に来る日も避難所を回り、熱心に人助けに励んだ生徒がいますが、彼はまさか「前期試験のため」に行動したわけでも「証明書」なるものを手にしたわけでもあるまい。

それでも受かるためには使えるものは使えと、あの生徒は前期試験でアピールしたのだろうか。
「私はボランティア活動として避難所回りをしました」とか。

大体ボランティアとかって自己アピールする性質のものじゃない気がするのですが…。

*******************

さて、高校教諭の友人との電話。

ちなみに「後期」の話も聞きました。

「大体前期は分かった。ところで後期なんだけどさ…あの『相関図』…なんとかならんのかね。ウチの生徒で校内テスト470点、内申3.5ってのがいるんだけどさ。」

「ああ、はいはい…」彼の受話器口の声のトーンがやや下がりました。

私が次に何を言おうとしているのか・・・おおよそ察しがついているようです。

「これじゃあ南とか向山は…キツイよな」

「う~ん…ま…ダメだわな。。。」

予想通りの答えでも、やっぱりコタえるこの事実。。。

「だから、それなんとかしろって!おかしいだろ!優秀なやつが進学校へ行けないなんて」

「…同感。中1、中2でガンガン部活やってさ、中3夏に引退してから死ぬほど勉強やって成績上げてもね…受からないからね…。

そもそも内申点に何の意味があるのかって。例えば平均評定4って言ってもさ、中央の4と地方の4では全然違うからね。高校入学後『なんでこんなの取ったんだ!』っていつも大騒ぎだよ」

「はぁ~~…。いっそペーパー試験オンリーにならないかなぁ。試験だけにしたら、こんなに平等なことないのに。世の中の試験すべてそうだろ?」

「でも中学で評定がいい子は、結果的に高校でも評定いいから大学に推薦で行けるんだよな」

「評定ね…。勉強が苦手な子はそれでいいよ。試験じゃなくて、むしろ普段の姿勢とかで評価して構わないと思う。

でも、平均より上の連中はね…。少なくとも偏差値50後半より上の学校はさ…、普段の行いとかじゃなく、当日一発、試験とかの実力で評価しないと国際競争に勝てないだろ。どんな資格試験もそうであるように。」

「だよな…」

「テストのみなら、ダメでも受かっても、生徒の得るものはハンパないと思うんだ。その後の人生にその経験が大きく作用すると思う。けど…相関じゃダメだ…。何がダメなのか曖昧だからね…。」

と、こんな会話を数分続けて切りました。

彼も、権力者たちに今のシステムをなんとかしないと…と、ことあるごとに訴えているようですが、当分変わらないでしょう。だからこそ、中学生には実技科目などで内申点を落とさないよう言い続けていかないとと思いました。

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入試で有利?―生徒会―

昨日、授業に10分遅れて慌ただしく教室に入ってきた中3女子生徒のAさん。

「部活を引退したはずなのにまだ忙しいの?」と尋ねると、

明日、駅伝大会があってその練習が長引いたんだとか。

顔が上気して、へとへとに疲れているさまが見て取れます。

同じころ、付属中に通っているB君も教室に遅れて到着。

理由を聞くと「今週末の文化祭の準備で…」とのこと。

ああ、確か君は化学部だもんね…それなら今はさぞ大変だろうねと思っていたら、それを聞いたAさんが声をあげました。

「あっ!私も文化祭実行委員の仕事が…あ~あ、今日寝れないわ…」

Aさんは生徒会長なので、文化祭などの学校のビッグイベントでは中心的役割を担うのでしょう。

運動に、学校活動…そして、勉強…。
この小さい体で…よくもそんなに頑張れるものだと感心しました。

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授業後、生徒や講師たちがみんな帰ったあと、ひとり乱雑な机を整理していると、入試資料のとある文面にふと目が留まりました。

「生徒会活動、スポーツ活動、文化活動、ボランティア活動において、継続的にリーダーシップを発揮し、中心的な役割を担った実績を自己アピールできること」

…そう、これは少し前のブログで紹介した、仙台一高「前期選抜」の出願条件です。

(こ…これは…!まさにピッタリじゃん!!!)思わず息をのみました。

生徒会、スポーツ、文化ってアナタ…

生徒会長で、部活や駅伝を頑張り、文化祭でも「中心的役割」を担ってるんだからもう…これは完璧でしょ!

ほかの高校も調べてみると、
二華高や三桜も「生徒会、部活動においてリーダーシップを…」とありました。

向山や南になると、「特別活動やスポーツ・文化活動へ意欲的、主体的に取り組み」(向山)とか、「中学校における活動・生活に積極的に取り組み、かつ優秀な成果を上げる」(南)とか、「リーダー」という文字が省かれているものの、それなりに関わったことが大切な模様。

西高や東高も「生徒会活動などの特別活動」で「中心的」(西)とか「積極的」(東)と書いてあります。

ちなみに、名取北は生徒会については触れられず、部活のみでした。

ふーむ…それほどまでに生徒会が大事なんだ…。

まあ、「前期」の出願条件だから、「後期」を受けるほとんどの生徒には関係ないが…。

一応、気になって高校教諭の友人の一人に電話しました。

「生徒会とかスポーツとか文化、ボランティアってどの高校にも書いてあるんだけど…」と言うと、

「それは前期の出願条件だろ?」

「そう」

「だからそれは『出願できる条件』であって、別にそれで決まるわけじゃないし」

「結局は内申点と入試と作文の合計で決まるんだろ」

「そうだな」

そっか…。やっぱり勝敗はそこなんだよな…と納得。

それでも諸活動をやっとくと「前期」入試に手を上げることができるんだから、それはそれでチャンスが増え、有利な一面もあるのかなと思いました。

昔、高3女子でこんな話がありました。学校の先生から次のように言われたのです。

「キミが志望の大学に推薦で行くには評定がわずかに足りない。あと一か月で何とかするにはもうボランティアしかない!」

そう言われてその生徒は…(つづく)

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実技を上げるには

「実技科目の通信簿を上げるには…今後どうやっていけばいい?」

全体を見渡して、一人一人にあてていきました。

「はい、コースケ!お前から!」

「はは…僕は授業態度っすかね」

「なんだ、態度悪いのか?」

「ええ…まあ…おしゃべりとか…ははは」

「じゃあ、学校始まったらそこを気をつけていけよ。はい次!カノ!」

「えっと…音程とか、絵とか、料理とか、家で練習する…」

「ププッ…料理の練習ねぇ。ま、そうだな、頑張れよ」

それを練習して本当にどうにかなるのか疑問ですが、まあ本人なりに意識して実技を頑張っていこうというのは良い心がけです。

「はい隣!ルキヤ、お前は?最近、成績芳しくないよな」

「はい、ええ~っと…先生とコミュニケーションをとる!」

「ははは!なんだそれは、仲良くなって3をつけづらくさせようってか?」

「いやー、まあそんなとこっすかねぇ」

「なるほどね、いや大事だよ。先生だって人間だからね。お前のそのステキな笑顔があれば大丈夫だ。」

その後、いろいろ聞いていくと、「点数を上げる」「提出物を出す」などが聞かれました。

「さて、まとめよう。

・授業態度をきちんとする。おしゃべりをしない。
・音楽や絵画、料理やお裁縫の練習をする。
・先生と仲良くなる。
・点数を上げる。
・提出物をしっかり出す。
・体育は休まない

ほう、結構あがったじゃないか。

これ全部本当に守ったら、3とかあり得ないんじゃない?

まだまだ、中2は始まったばかりなんだ。

5科目だけでなく、実技も…というか実技こそ、しっかり頑張るんだぞ。」

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内申点が低い理由?

「大体なんだ、この家庭科2っつうのは!」

そう言って、B君を睨みつけました。

「テストで50点中38点ってことは、約80点取ったってことだろ?それがどうして2なんだよっ!」

「え、え~っとそれは…」

すると、後ろの席のC君が笑い転げながら言いました。
「先生!こいつ、この間キュウリ切っていたら、手の脂が混ざったんです!」

それを聞いてクラスは大爆笑。

「お前な…ちゃんと手を洗えよ」

「違うんですよ!オレの手脂、すごいから(笑)」

「おいおい(笑)…つーか、ちょっと待て。2をもらったのはお前の手脂が問題だってか?」

B君、C君とも腹がほじれるほど大笑い。まったく、こいつら…

「おい、C君!お前だって家庭科3だろ?人のこと言えるかよ!どうして3なんだよっ!」

「いや、不器用なんスよ。先生に野菜の切り方怒られた。大きさバラバラだって…そんなの無理っすよ」

「はぁ…。それはしょうがねぇな~。
 っていうかさ、お前ら適当にやってるんだろ?
 切り方より、その適当さが先生に見抜かれてるんだよ。
 もうちょっと、真剣みを出さないと。
 例えば、そうだな…今度手ぬぐいを用意しろ。
 そして、先生が近くに来たときに出してさ、それで額をポンポンやるんだ。
 僕は額からこんなに汗を流しながら一生懸命にやってるってところをアピールしながらね。
 そうすれば先生だって、『あ~ヘタクソな切り方だけど…この子なりに一生懸命だわ』って思うから」

さらに、成績表を見ていると、おや?と思うことが…

「おい、これはなんだ!
 D子さんは音楽91点で5をもらっているのに…
 E君!
 お前は音楽93点で3だ!なんだこれは(笑)
 5の人より点取ってるのに3ってさ…じゃあ何点取ったらいいんだよっ(笑)」

E君「いや、あの先生エコヒイキするんすよ…女子ばっかり優しくして」
C君「そうそう!最悪っすよ。女子はうるさくしてても『静かにしてねー』で終わりで、俺らがしゃべってたら職員室に呼ばれるんです」
E君「俺もっすよ。この間なんか、教室で友達と相撲していただけで職員室に呼ばれた」

そして、男子らから、そうだ、そうだ、男子ばっかりずるい!の声が。一方、女子は苦笑い。

「お前らさ…そんなショボイこと言うなよ。
 男たるもの、女子が優遇されるのをむしろ好ましく思わないと。

 大体さ、男は女に見た目では勝てないんだよ。

 俺ですら、ちょっとそちらへ視線を向けるとさ、
 字は汚い、筆箱もぐちゃぐちゃ、座り方もだらしない。
 印象悪いって。

 それに比べて女子チームはさ、
 字は美しい、筆箱もキレイ、姿勢も美しい。

 もうね、野菜の切り方とかそんなんどうでもいいの。
 もう、ひと目。パッと見で女子に5、お前らには3をつけたくなるの」

そりゃないっすよ!ひどい!の声が飛び交うも無視。

「さて、ちょっと、話がそれたけど真剣に考えよう。
 
 あのね…中3はもう仕方ないけど、あなたたちはまだ1学期が終わったばかり。これからなんだ。
 
 これからきちんと態度を入れ替えてまじめにやれば、中2の1年間を4や5で終えられるんだよ。

 これから仮に成績が上がって上の高校を狙っても、内申でジ・エンドでしたー、なんていやだろ。

 そうならないためにはな…この2学期の取り組みが、特に実技科目の取り組みが大切なんだ。

 さて、来週から、、、どうやって改善していこうか。一人一人意見を言ってくれ」(つづく)

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成績上がって夢をみる

「というわけで…内申が低い人は終わってるんだ!」

昨日の中2の授業で、前回のブログの話を説明しました。

相関図

「いいか、この③の列にいる限りな…ほら、見て分かる通り、どうやっても合格ゾーンには入らないんだよ」

すると、周囲から「ひで~」「サイテーだ」「それはないっすよ」とざわざわ…

「例えばな…」
私はA君の方を見て言いました。

A君は昨年、中1冬に入ってきた生徒。
入会前の校内テストは400点台。
それが学年末で430点台になり、この前の一学期テストで470点まで上がった生徒です。

でも彼の一学期の通信簿は、

国・社・数・理・英・音・技家・美・体
5・4・4・4・5・3・3・3・3

宮城のルールに沿って実技を2倍にして平均を出すと、

(5+4+4+4+5+6+6+6+6)÷13=46÷13=約3.5となります。

「普通学校で470点取ったらさ、まあ何人か上はいるかもしれないが、もう十分優秀だろ?

 一高や二高は難しいとしても、南とか向山位だったら得点的には余裕だよね。

 でもね…はい、内申点がね…内申3.5ではね…さっきの③のゾーン確定だから。つまり不合格確定。」

するとA君は、えっ?と一瞬目を見張ったように見えました。

「5教科がよくて4や5を取りまくっても、実技で足を引っ張ったら終わりということだ」

そういって周囲を見渡し、さらに続けました。

「例えばさ、英数が苦手で校内テストで350点位の人がいたとする。
 その人の通信簿は、

国・社・数・理・英・音・技家・美・体
4・4・3・4・3・4・3・4・3

と、こんな感じ。
これね…、恐ろしいことに、内申点的にはさっきのA君と全く同じだから。

(4+4+3+4+3+8+6+8+6)÷13=46÷13=約3.5とね。

でもこの人、英数低いからおそらく南や向山の授業にはついていけない。
それは自分でも分かっているんだ。
だからおそらく頑張って三桜か名取北あたりを受けるだろう。

でもね、A君のように校内テストで470点も取る人間は、当然模試の判定も合格圏となる。

そうすると…

見ちゃうんだよなぁ…夢を…親も子も…。
③の列確定なのにね…。

オレがいけないのかね、伸ばしすぎとか…いやいや今のはウソ。

とにかくね、ヒドいんだよ。宮城のシステムは。

他県だったら、中3のみを見るとか、中3だけ2倍にするとか、後からの挽回チャンスを与えているんだけどさ…。

宮城はね……もうダメ。

『バカはバカのままおとなしくしてなさい。中1から優等生じゃなきゃダメですよ』ってことだから。」

ちょっと焦ってほしくて過激な言葉を使いました。

話を終えると、生徒らからは、ひどい、ひどいの大合唱。

「うるさい!なら引越せば?宮城にいる以上しょうがないんだよ!
 
 大体なんだ!この家庭科2っつうのは!」(つづく)

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プロフィール

hyperlearnig

Author:hyperlearnig
<塾長> 工藤 豪

大学卒業後、半導体エンジニアの道へ進む。
2年後脱サラし、生徒らとの一喜一憂をもとめて2000年に塾を設立。

地域の学力に貢献しているかは不明も、成績を伸ばしたいと考える彼らのために日夜奮闘中!

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