ひっぱりハント

通路を歩いていると、背後の方から文句交じりに笑い声が聞こえてきました。
「オレも社会サッパリ覚えられないよ」

ムムッ?
声の主の方を振り返ると、私が教えている生徒ではありませんが、最近よく顔を見る中3男子三人組が立ち話中。

私は彼らの首根っこを捕まえながら言いました。
「なに?社会が覚えられないだと?」
「痛テテテ、あ~ハイ」

「じゃあ勉強しろよ。
お前たちはいつもしゃべってばかりじゃないか」

何気ない世間話をしていて、いきなり怒られるとは思わなかっただろう。

「いやあ…なかなか難しくて…」とうめく男子。

私は手を離して、肩に手をかけ言いました。
「お前たち志望校は?」

CIMG1460.jpg

三人は、宮城野、東、県工と返答。

「ふ~ん、そこまでハッキリ目標が決まってるんだったら、がんばらないと!」

なんとかひっぱり上げるべくやや力を込めて言うと、3人は苦い顔。

「まあそうなんですけど~、社会、覚えられないんですよ~」

「でた!それはな…」

私は一人一人と順に視線を合わせた後に言いました。

「お前たちに覚えようという気がないからだよ」

その瞬間、
「え~~」
「イ~~~」
と、のけ反っておどける男子たち。

私はすぐにその首に腕を回し、軽く締め上げて言いました。

「じゃあやるか?」

「え?」
「なにを…?」

「社会のテストだよ。
お前らもう部活も終わったんだろ?
じゃあ6時に来れるよな。
これから授業前の30分使って社会のテストやるぞ」

ああ、言っちゃった。
後先考えずにすぐ熱くなる。
これでまた手間とコストがかかるハメに…

私の話を聞いた左の男子は、え~~!と目を丸くし、右の男子はウエッ…と吐くマネをしました。

「吐くこたぁないだろ。
お前…、社会できるようになりたんだろ?
だったらそんぐらい喜んでやんないと!」

そう言って私がその男子の両ほっぺをつまんで揺さぶると、真ん中に座ってじっと前方を見つめていた男子がそっとつぶやくように言いました。
「…やります」

「ほう!お前は?」
すぐに左を向く。彼は迷っている様子。

「Sクラスの連中にもやるぞ」
「えっ?Sの人たちもですか?」

「そうだ。あいつらも社会はオワってんだ。
ダメな奴はやるしかないからな」

そこまで聞くと、男子は負けたくないと思ったのかようやく言いました。
「オレもやります」

「ようし、じゃあお前は?」
最後に残った男子を向く。

彼は私に両ほっぺをひっぱられたまま答えました。
「や…やひまふ…」

「ようし、決まった!
では告知を待っててくれよ!」

テーマ :
ジャンル : 学校・教育

プロフィール

Author:hyperlearnig
<塾長> 工藤 豪

大学卒業後、半導体エンジニアの道へ進む。
2年後脱サラし、生徒らとの一喜一憂をもとめて2000年に塾を設立。

地域の学力に貢献しているかは不明も、成績を伸ばしたいと考える彼らのために日夜奮闘中!

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