悪魔の所業③

<前回の続き>

コーナーを曲がると、昨日も来ていた高1女子が教科書をポンポン指し示しながら言いました。

「ねえ、先生、先生!ココが全然分かんない」

(うっ、捕まってしまった・・・)

CIMG1147.jpg

すると向かいに座っていた女子も同時に発声。

「先生!ココなんだけどさ」

向かいで「取られた・・・」とつぶやく女子を尻目に話は続く。
「コレなんていう名前?」

また看護の問題とかムチャクチャなことを聞かれるのかと腰が引けるも、テキストを見るとそこには顕微鏡の図が載っています。

「ああこれは『ステージ』だよ、中学で習ったろう」

「ふ~ん、じゃあここは?」

次に指されたところを見る。でも、そこは知りません。

(へえ、高校ではこんな細かいところまで突っ込まれるんだ・・・)と思いながら一応返事をしました。

「う~ん・・・初めて見るなあ。まあでも、名称なら教科書に載っ・・・」

その瞬間、女子は耳を疑う言葉を発しました。

「え?知らないの?ちゃんと勉強しといて。」

「えっ?なんだって?・・・ちゃ・・・ちゃんと?!」

・・・ことばが出ない。

いまオレは勉強しろって言われたのか?

向かい同士でクスクス笑う二人。

「コ・・・コラ・・・『ちゃんと勉強しといて』だと?」

全身が小刻みに震えるのを感じる。

すると今度は向かいに座る女子が私の感情などお構いないようにケロッとして言いました。

「ハイハイ、今度は私の番」
「は?」

「ココ、ココ!絶対値ってなあに?教えて!超絶わかんない!」

「お・・・お前さ・・・なんだよその『超絶』わかんないって」

「いいからいいから早く教えて!何言ってるかサッパリなんだもん」

はあ~・・・こいつらときたらもう・・・やっぱり男は黙って・・・か。

私はチッと軽く舌打ちしてから言いました。

「わかったよ、じゃあいくぞ。これに書いていいな」

女子の手元にあったルーズリーフをこちらの向きに変える。

すると女子は「ダメ!」と言ってその紙を両手で押さえて言いました。

「これはあたしの!もったいないからほかのにして」

「・・・はい?」

止まった・・・。

頭の中が止まった・・・。

棒立ちの私をよそにクスクス笑う二人。

私は離れたところにある裏紙を取りに行った。

なんでオレがここまでしないといけない?

ひでぇ・・・やっぱり悪魔だあいつら・・・

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ジャンル : 学校・教育

プロフィール

ハイパーラーニング

Author:ハイパーラーニング
2000年に名取市で生まれ、生徒たった1人から始まった塾は、2016年におかげさまで1教室400名を超えるまでになり、同年、五橋に2教室目が誕生いたしました。

これまで、勉強をつい怠ける男子生徒や、受験に不安を感じる女子学生と、日々丁々発止のやりとりを続けてきて十余年、時が経つのは随分あっという間だった感じがします。

初心を忘れず、生徒との一分一秒を大切に。これからも生徒さんの目標達成に向かって共に歩んで参りたいと思っています。

こちらでは各講師が日替わりでクラスの様子をお伝えしてまいります。

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