最後の決断

先週、各中学校で高校受験の願書が締め切られました。

その数日前―

ある男子が口を結び、重い足取りで私のところに来て言いました。
「先生…A高校に行きたいんですが…不安です」

その男子にとってA高校はボーダーライン上。
決して安心できる位置ではなし、A高校は倍率が高いので不安な気持ちは分かります。

でもいつも明るく活発で笑顔がさわやかな男子なだけに、これほどストレートに胸の内を明かすとは思っていませんでした。

「下げるならどこに?」
ほかの選択肢も考えているのか尋ねると、
「ムリならB高校にしようかと・・・」とポツリ。

「私立はどこに受かってるんだっけ?」
「学院と榴ヶ岡両方です」

「ふ~ん・・・」

私は天井を見上げながら男子の成績推移を思い返し、AとB、両方の高校をイメージしました。

その間も男子は直立不動でじっとこちらを向いています。

私は男子の目を見てゆっくり話しかけました。
「確かにBなら受かるだろう。
単に落ちたくないという理由ならBにすればいい。
ただね、、、」

男子は私の目から視線をそらさずじっとこちらを見ています。
こんな表情見たことない。

「A高校はすごいぞ。
今大人気でトップに迫るぐらいぐんぐん来てるからね。
ここをあきらめるのはちょっと惜しい気がするな」

「はい」

「でも倍率高いからなあ。不安になるのもよくわかる」

「・・・はい・・・」

「でも思うんだ。
お前が将来、お父さんになってな、息子に高校受験どこを受けたのと聞かれるんだ。

そのときにさ、
『安全策を取ってB高校にした』と答えるのか、

それとも、
『ギリギリだけど前から行きたかったA高校を受けたんだ。でもやっぱり難しかったなあ!チャレンジしたけどダメだった、ハハハ』と笑って答えるのか、

どっちがカッコいいかなあ。

お前はいいやつだから、Aに行ってもBに行っても私立に行っても、どっちにしても大人になったとき社会でバリバリ活躍していると思うんだ。だからふとそんなことが気になってね」

私が笑いながらこう言うと、男子もちょっと緊張がほぐれたのか笑みを浮かべています。

やがて男子は意を込めて言いました。

「Aにします」

私はすぐに立ち上がって男子の肩にポンと手をやり言いました。
「そうか。いいんじゃないか」

ボーダーライン未満ならほかも考えるところですが、ライン上で行きたいところなら受けさせたい。

でも不安を抱えたまま本番へ・・・では可哀想。

それをできるだけ取り払って悔いのないように入試に向かわせたいと思います。

勉強方法については細かく指示を出しました。あとは彼の力を信じたい。

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ジャンル : 学校・教育

プロフィール

Author:hyperlearnig
<塾長> 工藤 豪

大学卒業後、半導体エンジニアの道へ進む。
2年後脱サラし、生徒らとの一喜一憂をもとめて2000年に塾を設立。

地域の学力に貢献しているかは不明も、成績を伸ばしたいと考える彼らのために日夜奮闘中!

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