最後通告

先週の金曜日。
ある中2の男子に課題を見せるように言ったところ、男子はいや、あの…と言葉に詰まってうつむきました。

1月中旬に、一部の中1・中2向けに行った緊急イベント「絶体絶命大作戦」

その男子はあまり宿題をやってこない生徒で、それに伴って成績も徐々に下がってきていたので、理社の追加課題を出したのでした。なのに…

生徒は申し訳なさそうにすいません…とつぶやいてから
「あの、、、日曜日に見せてもいいですか?」と恐る恐る。

私はじぃっと男子の目を見て―

「分かった。信じよう。じゃあ日曜日な」

言葉に力を込めて言ったはいいものの、
でも多分やってこないだろうな・・・との思いでその日は終わりました。

******************

月曜日、私は男子のもとに行って言いました。
「昨日までの約束だったな。見せるんだ」

ここで甘い顔をしてはいけない、との思いで目力を込めて言うと、
瞬間、身をこわばらせて、「いや、あの…」とうろたえる男子。

(ふ~ん、やはりね…今までと同様。
人間、なかなか変わらないんだよな…
過去のお灸も効き目がなかったか…
……今回で……最後かな…)

「おい、ちょっと来い」

私は男子にワークを持ってあとについてくるように命じました。

空き部屋に入って電気をつけると、男子が神妙な面持ちで部屋へ。

私はドアを閉めて言いました。「全然やってないのか?見せるんだ」

男子がうなだれながらページをめくる。

ふぅ~まったくやってないんだろうなあ・・・と思っていると意外や意外、試験範囲の7割ほどは終わっていました。(字は汚いけど…)

「あと少しだったな」
「え~・・・はい・・・」

「全然やってないかと思ったよ。結構頑張ってたじゃん」
「・・・はい・・・」

「でも完全には終わってない」
「・・・部活とかあって・・・・・・」

「部活か。それは朝から夜更けまで?」
「・・・いや」

「テレビ見る時間とかゲームする時間もあったんだろう?」
「・・・・・・はい」

「お前・・・このままでいいのか?350点まで下がってさ…
このまま鳴かず飛ばずで終わんのか?」

「・・・・・・」

「お前はあのクラスで数学ができる方だよな。
それはすごい強みなんだぞ。
数学はがんばってもできない人はいるんだから。
でも理社なんてさ!
あんなのはしっかり勉強時間とってやれば絶対上がるんだよ。
今のお前に足りないのはね、勉強の絶対量なんだ!
次のテスト、上がりたくねえのか?
それとも350そこそこで満足なのか?」

「いや、満足じゃないです」

「じゃあやれよ!」

ここでバンッ!とワークを机に叩きつけて鬼の形相でにらみつける。
迫力を演出するのは天使にとって大変である。

「さっきからこんなに怒ってるけどさ、
お前に対してはもうこれが最後だな。
ホントに無理と思ったら、こんなに言わないから。
『理社は難しいかな~、でも数学得意みたいだからそっちで頑張ろっか』
って優しく言うよ」

「・・・・・・」

「次の金曜までに完璧にして出すんだ。
フニャフニャの文字も認めない。
できるか?」

「はいできます。やります」
男子は控えめながらハッキリ言いました。

「よし。今度こそな。お前ならできるよ。期待してるぞ」

******************

部屋に戻ると、ほかの生徒らがこちらをちらちら見てきました。

私はクラス全体に向けて、
「いやね、今一発、闘魂注入してきたところだ」と言うと、

「えっ?」
「ビンタしたんですか?」
「コワ…」とザワザワ。

「フッ、強烈なのを一発お見舞いしただけだよ。
ん~?それともなにか?
ほかに食らいたい奴でもいるのかなぁ~?」

そう言って指をバキボキ鳴らすと、
後ろに座っている女子が真顔で「ハイッ!」と挙手。

「はい?」

「先生、私を殴って下さい!」

「はあ?」

この瞬間クラスは大爆笑。「なんで?」

「わたし、気合を入れてもらわないともう一つやる気が出ないんです!」

「わ、わかったよ。・・・あとでな・・・」

はあ・・・あの男子にもこのぐらいガッツがあったらなぁ・・・

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ジャンル : 学校・教育

プロフィール

hyperlearnig

Author:hyperlearnig
<塾長> 工藤 豪

大学卒業後、半導体エンジニアの道へ進む。
2年後脱サラし、生徒らとの一喜一憂をもとめて2000年に塾を設立。

地域の学力に貢献しているかは不明も、成績を伸ばしたいと考える彼らのために日夜奮闘中!

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