心の支えに骨を折る

今から2か月ほど前―

自習していた中3男子があるとき「先生!」と意を決して私の前に立ちはだかり、真剣なまなざしで聞いてきました。
「先生!平均評定3.6で三高に受かりますか?」

その生徒は塾内で一番勉強している生徒の一人。

当初、仙台南高校志望だったはずですが、成績が伸びてきて欲が出たのでしょう。

しかし仙台三高は、実力、人気を兼ね備えた優秀校。

すぐに平均評定3点台では…と思うも、彼の頑張りに水を差してはいけません。

「3.6はキッツいな~。中1のときはアホだったとしても、どうして今だに3点台なんだよ」
「分かりません(笑)」

「だいたいお前はあのペン回しがいけねえよ。
授業中クルクルやられたんじゃこっちは腹が立ってしょうがない。
まあ、3.6ではあきらめるんだな」

男子は私にこう言われて、目は笑っていますがシュンと肩を落としたように見えました。

私はすぐに男子の肩に手をやり言いました。
「まあかなり厳しいけど、仙台三高は偏差値63だから…まずは66を目指せ。
偏差値でボーダーラインのプラス3あれば普通は合格だ」

男子は私の言葉に俄然やる気を出して言いました。
「66あれば絶対受かりますか?」

「バカ野郎!入試に絶対なんてあるかい。
ただな…、そのぐらいあったら…、評定やや落ちぐらいなら普通は通る。
でもお前の場合は、やや落ちどころではなく、内申で大きく劣っているからな…
66無ければハッキリ無理だろう。頑張るんだ」

それから2か月―

男子の模試の成績はこう↓なりました。

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ホントに私の言った66まで来た。
しかもいまだに手を抜かずやっている。
こんなに努力家で才能があるんだからぜひ三高に受けさせたいものだが…3.6ではなぁ…

***********************

そして今週の月曜日。

予備調査倍率が発表され、一高の倍率の話が終わると、彼は私をつかまえて言いました。

「先生~~、三高の後期の倍率もヒドいっすよ、2.33倍!あ~あ、オレ終わったわ…」

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(ふぅ~、指揮官としてここでビクついてはならない。
ここはガツンといったるか…)

「2.3倍?
ほう、上等、上等!
砕け散るのも知らずに小童どもが。
何倍だろうと関係ない。
お前はまだ伸びる。
やるんだ」

男子は少なからず力を得たようですぐに勉強に向かいました。

(はぁ~…今回もさっきの一高も…
小者のオレにあんまり大物を演じさせるなよ…
ビビッてる奴を引っ張るのはpowerがいるなぁ…)

すると今度は別の男子がニヤニヤして近づいてきました。
「先生~、見ました?向山の理数0.8倍!ウフフフ」

(…この小虫めが…宿題も半端なこのナマケモノにとって、この数字は天からの恵み…
指揮官としてここはガツンといったるか…)

「バカ者!逆にヤバいって!
『お!定員割れで穴場じゃん!よし、ここにしよう!』
なんていう奴が大挙して押し寄せるぞ!
向山理数の定員は40人だぞ。
たった10数人がさっきみたいに思っただけで、あっという間に高倍率になるんだ。
過去にそんな例は腐るほどあるからね。
あ~あ、オレは知~らないッ!」

私がここまで言うと「マ…マジっすか…」と急に顔がこわばる男子。

(やれやれ……勇気づけたり、脅したり…いつまで芝居をやらせるんだ…)

と、そこへ「先生~!聞いてください!」と泣き顔で女子が。…今度はいったい何なんだよ……

「先生!私の友達の○○ちゃんが……
こないだ私立の部活に見学に行ったら、
推薦もらえることになったんだって!
ああ、私の方が上手いのに!
私も行けばよかった!
なんで友達だけ…くやし~~~!」

「はぁぁぁぁ~~~~、お前はまったく分かってない。
言っちゃ悪いけどな、、、
部活で秀でた奴に推薦を与えるってことはね、
そんなたまたま部活見学に行った奴にプレゼントとか
そんな類のハナシじゃないから。

ウルスラのバドミントンとか
聖和のサッカーとか育英の野球とかさ、
ああいうのは学校側から動いて全国から引っ張ってくるんだぜ?
その学校のその部活はどんだけ全国に名が轟いてるのさ?」

「あ、そんなに有名でもないですね」

「…だろ?
今はね…私立も少子化で生徒募集が大変なんだ。
つまりだな…
ちょっと言いにくいけどな…
悪いけどその子は…養分なの」

「え?それ、どういう意味ですか?」

「とにかく、お前の志望校は○○だろ?
誰がどうなったからと言ってブレちゃあダメだ。
その私立は普通に受けて合格すっから」

「え?ホントですか?」

「ああ、絶対受かる。
だから今は苦手の社会の勉強を続けるんだ」

話を終えると、また別のところから「先生~!」という叫びが…はいはい、今度はなんですか…

テーマ :
ジャンル : 学校・教育

プロフィール

Author:hyperlearnig
<塾長> 工藤 豪

大学卒業後、半導体エンジニアの道へ進む。
2年後脱サラし、生徒らとの一喜一憂をもとめて2000年に塾を設立。

地域の学力に貢献しているかは不明も、成績を伸ばしたいと考える彼らのために日夜奮闘中!

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