すべてがここに

前回の続き。

個別指導の部屋の入り口に掲示物を貼っています。

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こちらは不世出の天才棋士、米長さんによる文で、

私が赤ペンで引いた分は以下↓

「例えば数学の問題などでも、答えを知っているということには何の意味もない。

その答えを自分で導きだそうと脳に汗をかいたかが重要であって、正解できるかどうかすら二の次である。

自分の頭で考えて出した解答を採点してもらって、たとえそれが零点だったとしても、それは本質的な問題ではない。」


校内テスト300点でも400点でもトップ校に受かっても、この習慣が備わっている人は伸びるし、そうでない人は伸びない。

ここに、勉強の何たるかがすべて詰まっています。

***********************

自習に来た3人の生徒がテーブルに向き合い宿題のプリントを解いていました。

そして校内トップクラスの成績であるA君が先にプリントを解き終わります。

A君は次のに取り掛かるため、それを横にやりました。

「もう終わったの?早いね!」
「頭がいい人は違うね!」

向かいに座るB君、C君の2人は校内平均ぐらいの実力。A君のスピードに感嘆の声を上げます。

たまたまそこを通りがかった私が2人に言いました。
「はいはい、人のことはいいから。早く終わらせよう」

そしてそのまま真っすぐ歩いてふと…あることが気になって立ち止まりました。

(さっきの無造作におかれたA君のプリント…あの2人に丸見えだな…)

振り返って、遠くからさっきのテーブルに視線を移すと、B君は手元のものに夢中ですが、

C君は……A君の解き終わったものをチラチラ見ています。

私は何気ない素振りで引き返し、C君を近くで観察しました。

C君は私に気付かず、まだA君のものをチラッと見ています。

そして―

まだ自分が解いていない⑤の解答欄にA君の答えを写しました。

さらに、その答えになるように途中式を作り上げていきます……。
その答えになるように……。

***********************

あ、断っておきますが、このお話は架空のものです。

けど、こういう例は割とよくあります。

お分かりかと思いますが、C君の成績が伸びることは絶対にありません。

どうして分からせればいいんだろう…と私は考える。

「おい、人のを見るんじゃないッ!カンニングはダメだろう!」って怒ったらいいのかな。

「あのね…さっき人のものを見てたよね…それじゃあ意味がないよ」と優しく諭したらいいのかな。

私は過去にどっちも試したことがあります。

しかしどちらのケースも直りませんでした。

この人たちに共通しているのは、「答えを知っている」とか「良い得点を取る」ことこそが一番重要だと認識している点です。

米長さんの言うように、

「答えを知っているということには何の意味もない」

「たとえ零点だったとしても、それは本質的な問題ではない」

というのとは真逆の思想です。

この考えが一度浸透してしまうと、本人を改心させようと思ってもなかなかそうはいかないのが現実です。

なぜならこちらが軌道修正を図るべく手を打っても、親御さんがせっせと元に戻してしまうからです。

よくあるのは2つのパターン。どちらも教育熱が高く、

一つは、「何なのこの点数は!」と、テストの点数のことで常に目くじらを立てる親御さん。

こういうふうに育てられたら誰だって得点を気にしてコソコソしてしまいます。

親はもっとドシンと構えて、「零点だって構わない。それより理解したのか?」と言うべきです。

もう一つは、心配で心配でたまらない親御さん。

今度のテスト大丈夫?勉強は済んだ?結果はどうだったの?まあ何その点数は…。ああ…私はどうしたらいいの…と嘆きます。

こうなると子どもは自分が親を心配させているのが分かり、なんとか良い点を取って満足させてあげようと考え、「頭を振り絞ってもがく」ことなく近道を走ります。

先ほどの話のB君。

目の前のA君の答案を見ずに素直に自分の勉強に打ち込めていてこれからの伸びも期待できますが、その子の親はフラットであるケースが少なくない。

フラットというのは、点数のことであまり怒ったり嘆いたりしないということです。

こういう方は、点数はただの結果であって、勉強にはもっと大事なことがあるとよく認識されている方か、

失礼ながらあまり教育に頓着していない方かどちらかです。それが結果的に良い点数を生むのだから皮肉なものです。

校内試験が続きます。

目先の点数や内申点はもちろん大事ですが、そんなものよりも勉強にはもっともっと大事なことがあります。一緒に子どもたちに伝えていきましょう。

テーマ :
ジャンル : 学校・教育

プロフィール

hyperlearnig

Author:hyperlearnig
<塾長> 工藤 豪

大学卒業後、半導体エンジニアの道へ進む。
2年後脱サラし、生徒らとの一喜一憂をもとめて2000年に塾を設立。

地域の学力に貢献しているかは不明も、成績を伸ばしたいと考える彼らのために日夜奮闘中!

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