マジメは悪癖

<前回の続き>※前回はこちら

「でね、大体今のようなことをやればいいんだけどさ、
でもまだあなたにとって一番大切なことを言ってないんだ。
それはね…」

言葉が出かかったところで言うのをやめました。
相手は中1女子だ。ストレートに言っても伝わりにくいだろう。

私は少し考えてから言いました。
「あ、そうだ!趣味とかない?」

DSCF1960.jpg

「…え?…趣味…ですか?」

「そうそう趣味。例えば……時間が空いたときは何をしたい?

ほら、マンガを読みたいとか、ゲームとかパソコンをしたいとか、音楽を聴きたいとか…」

女子は突然の質問に戸惑いつつ、「音楽かな…」と答えました。

「グッド!じゃあさ…、こんなの早く終わらせて音楽聴いた方が楽しいんじゃないかな。

今のペースだと漢字練習に一時間半かかるでしょ?

これを15分で終わらせられればたっぷり聴けるよ」

女子はニコッとしてそうですね!と言いました。

「よし!じゃあ今までの6倍速でやることになるぞ。じゃあ始めよう!」

*****************

そう、この子に足りないのは、

「こんなものテキトーに済ませてラクしたいぜっ!」といういい加減さです。

いい加減な人やナマケモノは、生来めんどくさがり屋だから、目の前の課題が「書くほどのモノかどうか」をまず判別します。「書かないで済んだらラクできんのにな…」と思いながら。

そして、「これは一応書いておくか…」と判断したら、そこからは一気に短時間で手早く書き上げます。なぜなら、早く終わらせて、またあの木の枝につかまってブラブラしていたいからです。

無題

だから書いた字は雑で行からはみ出ます。

こちらが重要事項を赤で書いても、ナマケモノは赤ペンなんて使いません。黒一色でササッと書いておしまい。

大体ナマケモノはルーズリーフなんて洒落たものは使いません。ノートもない。

何か書くとしたら、小宇宙と化しているカバンの中をあさって、数週間前にこちらが渡したプリントを見つけ出し、そのしわを伸ばして裏に殴り書き、といった有り様です。男子に多いです。

無題2

こういうのを見ると「女子」であるお母さん方は嘆きます。

「ウチの子…字が汚くてね」
「カバンの中はぐちゃぐちゃ…」
「ちっとも勉強している様子がない…」とか。

でもですね…
こういう人は結構成績優秀であることが多いんですよ。

なぜなら頭を使ってますから。

まずナマケモノは最初に書くべきかどうかを考えてます。
(マジメ君は何も考えずに書き出します)

そして書くと決めたら一気に書き上げるために集中度をカオスな域まで高めます。脳ミソは瞬間的にフルスロットル!
(マジメ君は、おいっちに、おいっちに…とゆっくり書きます。集中力はない状態)

裏紙に書くから何個、何行やればいいという目安がなく、どこまで書いたらいいか考えながらやります。
(一方、マジメ君は10個とか1行とか決めてやります。まるで頭を使ってない)

と、このようにナマケモノの勉強法はいいことだらけです。

何時間も机に向かっている人よりも、ずっと日向ぼっこしている人の方が点数が取れるとは何とも皮肉なものですが…。でも「ラクしたい」というのはこれほどパワーのあることなんです。

でもだからと言って、「じゃあ今日からとことんナマケモノになってやろう!」と思っている中学生がいたらちょっと待ってくださいね。

ナマケモノにはデメリットもあるんです。

彼らは総じて内申点が悪いの。提出物とか授業態度がテキトーだからね。。。

無題3

*****************

話を戻すと、この女子は見るからにマジメ100%でこれまで歩んできたようです。

マジメは悪癖。

この子がこれから成績アップを果たすには、どうしても「いい加減さ」が必要です。

ここから私の指導は加速しました。

「はい、速く速く!もっと速く書ける!」

「汚くていいから。テキトー、テキトー!それより速く!」

「行から字がはみ出たってかまわないよ、速く!」

「消しゴムは使わない!間違ったらこうやってグチャグチャってやればいい」

(指導は9番途中から↓
10番、字が薄くてかすれてるのは速く書いたから。
11番、生徒が書き間違えた字を私が赤ペンでグチャグチャと丸める)

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「12番、『彼ら』なんて練習しなくても書けるだろ、もう次行って!」

「改行なんてしなくていいから、次の『偶然』はそのまま続けて書いて!」

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「ようし、速い速い!」

「そうそう、そのスピードだ!なんだ速く書けるじゃん!」

「とっとと終わらせて早く音楽聴こう!」

女子は私のかけ声にそって速く手を動かし、前半漢字9個の練習に40分かかったのが、後半13個は15分で済みました。

私は練習が短時間で終わったのを褒めて、それから時間をおいて自分にテストをするのも忘れずにと言って生徒を帰しました。

今日のやり方が、この子の今後の家庭学習で生かされるといいんだけど…どうだろう。

あと、成績が伸び悩む生徒には、数学とか英語の指導のほかにこういった指導も時間を取ってやってあげないといけないな…そんなことを思いながらこの日の授業を終えたのでした。ふ~

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ジャンル : 学校・教育

プロフィール

hyperlearnig

Author:hyperlearnig
<塾長> 工藤 豪

大学卒業後、半導体エンジニアの道へ進む。
2年後脱サラし、生徒らとの一喜一憂をもとめて2000年に塾を設立。

地域の学力に貢献しているかは不明も、成績を伸ばしたいと考える彼らのために日夜奮闘中!

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