学校の先生のはなし

中3の授業後、標準クラスの中をのぞくと、女子生徒が真田先生に何やら話していました。

「志望校を○○に決めたんだけどさ、ダメだって…」

「え?ダメってどういう意味?」

もう一人の女子に因数分解を居残り指導しながら真田が聞くと、

「塾に行ってるのにそこはないって…」
とむくれた顔で女子が一言。

なに?塾に行ってるのに?

そのワードにビクンと反応した私は、話に割って入って、お母さんにそう言われたのかと尋ねると、女子からは意外な返答が帰ってきました。

「いや、お母さんは好きなところにしなさいって言ってる。だけど、先生が…」

「先生???真田先生?」

「いや、学校の先生」

「は?なんだって?」

一瞬何のことやらわからず、真田の方をふり向くと彼もこちらを見て目を丸くしていました。

……なんで学校の先生がそんなことを言うんだろう。

成績を上げるかどうかは塾次第ってか…。

確かに責任もって指導しているつもりだけど、学校の先生に言われる筋合いはないよなぁ…。

「それって、お前のことを発奮させるために言ったんじゃないの?もっと上を狙っていけって言う意味で」

諭すように語りかけると、女子はムキになって答えました。

「違う!絶対違う!だってヘラヘラ笑ってたもん」

「ふっ、何だそれは…。
まあ、学校の先生にそこまで言われるとこっちも俄然力が入るんだけどね…。

それにしてもねぇ…

でも、そこまで言うからには、その先生も熱心に教えてくれるんでしょ?」

こう聞くと、その子と、前の席で因数分解を教えてもらっていた女子2人が口をそろえて言いました。
「あの先生、何言ってるか全然わかんない!」
「説明ヘッタクソ!」
その後も2人でああだこうだと文句が続き…私は聞くに堪えず退散…。はぁ、世知辛いねぇ。

*****************

あくる日、中2の授業準備をしていると、生徒がちらほらやってきて男子の一人が言いました。
「先生、オレ、数学のワーク終わった!」

「ん?学校のやつか?」

「そう!今度の試験、連立方程式までだけどオレもう終わったよ!」

「へぇ、エライね!」

とりあえず得意満面な男子を一度ほめておきながら尋ねました。
「土日に家でガ~ッとやったのか?」

すると男子は「ううん、学校で」と言うので、不審に思い聞きました。

「まさか、授業中にやったんじゃあないだろうね」

「え、そうだよ」

「ダメだよそれは。先生が一生懸命教えてるときに、ほかのことやっちゃダメだろ」

「え?だってヒマだもん」

するとそれを聞いていた同じ学校の女子も、「そうそう!」と話に入ってきました。
「すっごい退屈。だからワークやっていいんだよ」

「え~?先生にバレなければいいってか」

すると女子から思わぬ一言。
「先生知ってるよ」

「え?知ってんの?…そんで?怒られないの?」

女子「怒られないよ!逆にほめるよ。エライねって」
男子「しかもやると評定上がるからいいんだよ」

「は?評定上がる?」

男子「そう!だって先生言ってたもん。だからオレはこつこつやってるんだよ。内申点もらえるから」

「ぬ…ぬゎんだって~!」

次々訪れるサプライズに頭がついていけない…。

でも、確かほかの学校では、授業中にワークすすめたら怒られたというのがあったよな…

でも、この学校では認めているし、プラス評定にもなるという。不思議だな…

「そんなルールならみんな授業中にやるんじゃないの?」
ふと思ったことを尋ねると、

「ううん、そうでもない。ほとんどの人はやらないよ」と男子。

「なんでだよ!みんな評定になるの知ってるんでしょ?」

「知ってるけど、みんな別に内申とかどうでもいいって人ばかりだからな、ハハハ」

な…なんだそれは…

こういうときなんて言ったらいいんだろう…

私はホワイトボードに今日の授業メニューを書きながら背中越しにつぶやきました。

「ま…まあ、がんばれよ」

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ジャンル : 学校・教育

プロフィール

hyperlearnig

Author:hyperlearnig
<塾長> 工藤 豪

大学卒業後、半導体エンジニアの道へ進む。
2年後脱サラし、生徒らとの一喜一憂をもとめて2000年に塾を設立。

地域の学力に貢献しているかは不明も、成績を伸ばしたいと考える彼らのために日夜奮闘中!

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