超難問
本日―
テスト3日前だからもう部活は休みになったのでしょう。
午後3時ごろから、中1、中2生らが自習にやってきました。

女子の一人は私を見つけて笑顔で言いました。
「先生、東北地方とか紙にまとめて貼ったよ!」
先週の授業中、私は自分が中2の頃の校内テストの勉強方法を生徒らに伝えていました。
暗記系の理科社会はノートにまとめるだけでは意味がない。
一回書いたところでどうせ忘れるんだから、忘れないようにそれを見続ける仕組みを作らないと。
そのためには洗面所やトイレ、部屋の壁にそれらを貼り、スキマ時間に見続けるんだぞ!と。
なかなか暗記が難しい生徒ですが、そこまでやったならあとは問題集をしっかり解いてなんとか結果を出してほしいと願うばかりです。
******************
隣の部屋をのぞくと…
10人ほどの自習生。みんな受験直前の中3です。
先週、三者面談で私が出した厳しい合格予測に涙を流した女子も自習に来ていました。
面談の場では、レベルを下げずにその高校を受けたいなら、スマホやテレビは無しだ、この科目はこういうふうに勉強しよう、というようなことを穏やかに語りましたが、本心は違います。
本当は、
(何で泣くんだ!泣いたって合格できないだろ!悔しかったらラインなんかぶっ壊してとっとと勉強やれよ!)
と言いたい気持ちがありました。
しかし、親御さんがいる前だし、泣きっ面に蜂というか、これ以上言ったら生徒の何かが壊れてしまうのではないかと思ったので言うのをやめました。
その面談後、私は職員らを前にがっくり肩を落として言いました。
「これで今週4人目…しかもみんな女子…
はぁ…あの涙は何なんだろうな…
あなたなら同じ性だから分かる?」
話を女性職員に振ると、
「いえ…わかりません」
「まあ、あんたは泣かなそうだけど」
……
……じゃあいったいあの涙はなんなのか、実力が足りないことに対する悔し涙か、現実を突きつけられて悲しいのか、それともやっても上がらない絶望か、またはやってない自分自身へのいらだちか…
「ああ、わかんないっ!あの涙の意味が分かったらなぁ!
それならもう少し言いようもあるのに!」
私がイライラして声を上げると、後ろで別の女性職員が言いました。
「工藤先生にはわかりません」
「…は?」
「女は泣きたいから泣くんですよ。理由なんてありません」
「は…はは…そーゆーコト…」
はぁ…乙女の心ってヤツは……
この世でもっとも解くのが難しい問題だ……
****************
結局、その子はその面談がきっかけになってか今日は午後4時という早い時間に自習しに来ました。
そして、いま夜11時になりますが、いまだ目の前で勉強中。
よし、その調子であと1か月!乗り切るんだ!
テスト3日前だからもう部活は休みになったのでしょう。
午後3時ごろから、中1、中2生らが自習にやってきました。

女子の一人は私を見つけて笑顔で言いました。
「先生、東北地方とか紙にまとめて貼ったよ!」
先週の授業中、私は自分が中2の頃の校内テストの勉強方法を生徒らに伝えていました。
暗記系の理科社会はノートにまとめるだけでは意味がない。
一回書いたところでどうせ忘れるんだから、忘れないようにそれを見続ける仕組みを作らないと。
そのためには洗面所やトイレ、部屋の壁にそれらを貼り、スキマ時間に見続けるんだぞ!と。
なかなか暗記が難しい生徒ですが、そこまでやったならあとは問題集をしっかり解いてなんとか結果を出してほしいと願うばかりです。
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隣の部屋をのぞくと…
10人ほどの自習生。みんな受験直前の中3です。
先週、三者面談で私が出した厳しい合格予測に涙を流した女子も自習に来ていました。
面談の場では、レベルを下げずにその高校を受けたいなら、スマホやテレビは無しだ、この科目はこういうふうに勉強しよう、というようなことを穏やかに語りましたが、本心は違います。
本当は、
(何で泣くんだ!泣いたって合格できないだろ!悔しかったらラインなんかぶっ壊してとっとと勉強やれよ!)
と言いたい気持ちがありました。
しかし、親御さんがいる前だし、泣きっ面に蜂というか、これ以上言ったら生徒の何かが壊れてしまうのではないかと思ったので言うのをやめました。
その面談後、私は職員らを前にがっくり肩を落として言いました。
「これで今週4人目…しかもみんな女子…
はぁ…あの涙は何なんだろうな…
あなたなら同じ性だから分かる?」
話を女性職員に振ると、
「いえ…わかりません」
「まあ、あんたは泣かなそうだけど」
……
……じゃあいったいあの涙はなんなのか、実力が足りないことに対する悔し涙か、現実を突きつけられて悲しいのか、それともやっても上がらない絶望か、またはやってない自分自身へのいらだちか…
「ああ、わかんないっ!あの涙の意味が分かったらなぁ!
それならもう少し言いようもあるのに!」
私がイライラして声を上げると、後ろで別の女性職員が言いました。
「工藤先生にはわかりません」
「…は?」
「女は泣きたいから泣くんですよ。理由なんてありません」
「は…はは…そーゆーコト…」
はぁ…乙女の心ってヤツは……
この世でもっとも解くのが難しい問題だ……
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結局、その子はその面談がきっかけになってか今日は午後4時という早い時間に自習しに来ました。
そして、いま夜11時になりますが、いまだ目の前で勉強中。
よし、その調子であと1か月!乗り切るんだ!