一高生の指導で
先週の土曜日、漢検が行われました。
午後1時からは小学生低学年がチャレンジ。

ちっちゃい子が真剣にペンを握る姿は見ていて微笑ましく思います。みんな受かるといいなあ。
*************
夜、私は仙台一高に通う二人の男子生徒の指導に入りました。
予告していた英単語テストを終えた後、数学のセンター問題へ移行。
それを黙々と解く二人の姿を見て思いました。
さすが…、この集中力…並ではない。
難しい問題ではビタッと静止して一問にこんこんと考え続けています。
昼間の小学生が微笑ましいなら、こちらのこの姿はなんとも美しい。
その集中力に気圧されたというわけではありませんが、私はあまり口出しせずに彼らの解法手順を観察していました。
…が、書かれているものを見ると、しだいに正解とは離れた方向に進んでいきます。
う~む…言った方がいいかな…
しかし…こういうときの声がけはいつも迷う。。。
たとえ間違っていようが、
自分の思った通りにずんずん進んでいき、やがて手詰まりになりハタと考える経験というのは、数学の力を伸ばすためには必要なことです。過保護、過干渉ではいけない。
しかし一方でこう思います。
この生徒はおそらくアレを知らない。
この問題はアレを使わなければ解けない。
この生徒はアレを知らないのか?
または知っているけど閃かないのか?
いったいどっちだろう…。
閃かないだけならもうちょっと待ちたいが…
と、逡巡の末、私はあとで見せられるように、解法手順やその公式の成り立ちを紙に書きました。
そして、男子生徒の手が止まって5分後、「ここはこれを使わないと先へは進めないよ」と言って、書いたものを逆向きにして見せました。

男子は「なるほど…」と短くつぶやき、何回か小さくうなずきながら書かれたものを読み進めました。
私は言うタイミングがこれでよかったのかどうかということを男子生徒の表情や振る舞いから探りましたが、一応ベストなタイミングだったような気がします。
そしてその後、、、
私は一瞬で悟った出来事がありました。
どうりでこの生徒…、一高に入るワケだ…ということを。
泉区から通うこの男子生徒は冬期講習から来たので、まだそれほど多く私と接していません。したがって彼の実力のほどはまだ良く分からないところがあります。
校内順位は聞いていますが、高校の校内順位は当てにはなりません。ちょっと勉強すれば100人抜き、ちょっとサボれば100人に抜かれるのが高校ですから。
ということで、彼の実力がどれほどのものなのかと毎回はかっていたのですが、いまようやく分かりました。
何が他と違うって、この生徒、私の書いたA4一枚をうんうんうなずきしっかり理解したあと、なんとそれを横へよけたのです。
そして手元の問題の方へ視線を戻し、また考え始めました。
たった今、私が模範解答を書いたばかりなのに!

ほかの生徒だったら、まず間違いなく模範解答を手元におき、それを自身のに書き写すでしょう。でもこの男子はそうはしない。
おそらく男子の頭はこうです。
(今言われて分かったけど、そうか、この部分がこの形になってたらアレを使うんだ。
言われてみれば確かにその通りじゃないか、フフ、どうしてオレはそれに気づかなかったんだろう?)
フフと自嘲気味に笑ったかどうかはさておき、
とにかく彼は答えを視界の外において、何か考え事をしていた。
おそらく上のような、閃くところからの確認作業と思われますが、そこが彼の並ではないところです。
彼は「正解」よりも大事なことがあることを知っている。
彼は、この問題を解くにあたって、どんな見地が必要だったのか、どうしたら今後自分は独力で解決できるのかというところに明らかに重きをおいています。
なぜなら、考え事のあと、やはり私の解答を見ずに、自分の力で一つ一つ式を展開していったからです。
先生の答えを見て写しては意味がない。
見て方針は理解したから、今度は自分の手でやってみたい、またそうすることが今後の自分のためだということを心憎いほど理解しているのです。
なるほど…そりゃトップ校に入るワケだ…
午後1時からは小学生低学年がチャレンジ。

ちっちゃい子が真剣にペンを握る姿は見ていて微笑ましく思います。みんな受かるといいなあ。
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夜、私は仙台一高に通う二人の男子生徒の指導に入りました。
予告していた英単語テストを終えた後、数学のセンター問題へ移行。
それを黙々と解く二人の姿を見て思いました。
さすが…、この集中力…並ではない。
難しい問題ではビタッと静止して一問にこんこんと考え続けています。
昼間の小学生が微笑ましいなら、こちらのこの姿はなんとも美しい。
その集中力に気圧されたというわけではありませんが、私はあまり口出しせずに彼らの解法手順を観察していました。
…が、書かれているものを見ると、しだいに正解とは離れた方向に進んでいきます。
う~む…言った方がいいかな…
しかし…こういうときの声がけはいつも迷う。。。
たとえ間違っていようが、
自分の思った通りにずんずん進んでいき、やがて手詰まりになりハタと考える経験というのは、数学の力を伸ばすためには必要なことです。過保護、過干渉ではいけない。
しかし一方でこう思います。
この生徒はおそらくアレを知らない。
この問題はアレを使わなければ解けない。
この生徒はアレを知らないのか?
または知っているけど閃かないのか?
いったいどっちだろう…。
閃かないだけならもうちょっと待ちたいが…
と、逡巡の末、私はあとで見せられるように、解法手順やその公式の成り立ちを紙に書きました。
そして、男子生徒の手が止まって5分後、「ここはこれを使わないと先へは進めないよ」と言って、書いたものを逆向きにして見せました。

男子は「なるほど…」と短くつぶやき、何回か小さくうなずきながら書かれたものを読み進めました。
私は言うタイミングがこれでよかったのかどうかということを男子生徒の表情や振る舞いから探りましたが、一応ベストなタイミングだったような気がします。
そしてその後、、、
私は一瞬で悟った出来事がありました。
どうりでこの生徒…、一高に入るワケだ…ということを。
泉区から通うこの男子生徒は冬期講習から来たので、まだそれほど多く私と接していません。したがって彼の実力のほどはまだ良く分からないところがあります。
校内順位は聞いていますが、高校の校内順位は当てにはなりません。ちょっと勉強すれば100人抜き、ちょっとサボれば100人に抜かれるのが高校ですから。
ということで、彼の実力がどれほどのものなのかと毎回はかっていたのですが、いまようやく分かりました。
何が他と違うって、この生徒、私の書いたA4一枚をうんうんうなずきしっかり理解したあと、なんとそれを横へよけたのです。
そして手元の問題の方へ視線を戻し、また考え始めました。
たった今、私が模範解答を書いたばかりなのに!

ほかの生徒だったら、まず間違いなく模範解答を手元におき、それを自身のに書き写すでしょう。でもこの男子はそうはしない。
おそらく男子の頭はこうです。
(今言われて分かったけど、そうか、この部分がこの形になってたらアレを使うんだ。
言われてみれば確かにその通りじゃないか、フフ、どうしてオレはそれに気づかなかったんだろう?)
フフと自嘲気味に笑ったかどうかはさておき、
とにかく彼は答えを視界の外において、何か考え事をしていた。
おそらく上のような、閃くところからの確認作業と思われますが、そこが彼の並ではないところです。
彼は「正解」よりも大事なことがあることを知っている。
彼は、この問題を解くにあたって、どんな見地が必要だったのか、どうしたら今後自分は独力で解決できるのかというところに明らかに重きをおいています。
なぜなら、考え事のあと、やはり私の解答を見ずに、自分の力で一つ一つ式を展開していったからです。
先生の答えを見て写しては意味がない。
見て方針は理解したから、今度は自分の手でやってみたい、またそうすることが今後の自分のためだということを心憎いほど理解しているのです。
なるほど…そりゃトップ校に入るワケだ…