宿題戦争②

<前回の続き>
(宿題が多いのでやってこれないという話を受けてその続き)

「宿題多い多いって言うけどさ、いったい何時間かかったの?」
生徒の方を向いて何人かに聞くと、おおむね土日を通して2時間から4時間とのこと。

「でしょ?少ないじゃん」
私がケロリと言うと、多い多いと女子。
一方、男子は女子のパワーに苦笑いしています。

「わかったわかった、ちょっと待て。
宿題が多いのにはちゃんと理由があるんだ。

まず一つは、夏休み明けに実力テストがあるでしょ?あれのためだよ。
普段は英数中心だけど理社も追加したのはそのためなの。

実力テストは知っての通り、今まで習ったところ全部出るからね。
お前ら…どうせ過去のを忘れてんでしょ?

たとえばちょっと聞くけど、1年のときに習った岩石の名前とかみんな覚えてるの?BTB溶液の色は?酸性は何色?言ってみてよ」

そう言って生徒何人かに振ると、赤!緑!青!と元気な答えが。

「ほら、バカばっかりだ。
BTBが赤だと?そんな色になるか!
まったく…よく今まで生きてこられたな。お前、生きてて楽しいか?」

「ははは。はい、楽しいです!」

「か~、BTBの色も知らない人生なんて俺には考えられんね」

クラスは私の話に大笑い。
私は次に、宿題やってませんと直球勝負にきた女子に向かって言いました。
「お前、宿題多いって言ったな。」

いきなり当てられた女子は少しドキッとしたように見えました。

「5科目それぞれ2,3ページずつ…これが多いと」

「は…はい」

「ふ~ん。決して多くはないんだがなあ。
まあ宿題やってこなくても怒らないけどね。

別にお前がやってこなくてもオレはどうだっていいんだ。

宿題はオレのためじゃなくてお前のために出してんだからさ。

お前が〇〇〇高校でいいってんならどうぞ。
今のままでもまあ、受かるだろう。」

こう私がさらっと言うと、女子はすぐに反応しました。

「そこはイヤです!

……宿題…やります」

(よし、よく言ったっ!)
私は表面上冷静を装っていましたが、女子の言葉は胸に響きました。
それに今の一言でクラス全体も引きしまった感じがしました。

「あとね…一つ言っとくけど宿題が多いのはそれだけじゃないんだ。
お前らは日々ヌボーッとして生きているから気づかないけどね…

仙台市の中心部とか、さらには関東の首都圏…この辺は違うぞー。

首都圏なんかだと中学受験のために小5小6から毎日何時間も机に向かってね、うつ病にまでなっちゃう人が結構いるという話だ。」

「うわ~かわいそ~!」

「それにそんなに勉強に打ち込むのは日本だけの話じゃないよ。
アメリカなんかは小中高の宿題がどれだけ多いか。

お前らより1,2歳年下の子でも大抵は夜11時まで宿題だよ。

それも学校の先生からメールで宿題が来てね、それを当日とか翌日までに返さなきゃいけない。

日本だけだよ、早寝早起きなんて悠長なこと言ってんのは。

お前たちが大人になるころは今よりさらにグローバル化が進んでね…世界との競争になるのは間違いない。そんなとき、今のままでそういう連中に勝てると思う?」

私が外の世界の話をすると、教室の空気がより緊張感を増したように見えました。少しは何かしら感じ取ってくれたかな。

やがて、一人の女子がある提案?をしました。

「わかりました!
じゃあ先生、宿題は多くてもいいです。

でも……

もし、やってこなくてもあまり怒らないでくださいね」

女の子のセリフにみんなは大笑い。
と…、前に座っていた男子からは別の提案が出ました。

「じゃあ先生こうしたらいいんじゃない?
宿題は少なめにして…、
その代りやって来なかった人には厳しくする^^」

「ははは。まあ、どっちにするかって話じゃないんだけどさ…。
とにかくお前らのパワーアップのためにやってんだ。
しっかり考えてくるんだぞ!」

テーマ :
ジャンル : 学校・教育

プロフィール

hyperlearnig

Author:hyperlearnig
<塾長> 工藤 豪

大学卒業後、半導体エンジニアの道へ進む。
2年後脱サラし、生徒らとの一喜一憂をもとめて2000年に塾を設立。

地域の学力に貢献しているかは不明も、成績を伸ばしたいと考える彼らのために日夜奮闘中!

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