公立高校の前期試験は必要?

ゴールデンウィーク中(5/6だったと思う)の河北新報朝刊に、公立高校前期試験は本当に必要か?という投書が載っていました。確か多賀城の中学校の先生からだったかと思います。

その内容をかいつまんで説明すると、

・前期試験の合格発表の翌日、不合格者の心のケアを行うために該当者を体育館に集めた。

・前期試験というのは狭き門で落ちるのが当たり前。受験者はそれを分かって受けてはいたけどやはりつらいようだった。

・前期で受かる子は、仮に後期を受けても落ちることはないと思われる。

だったら後期試験のみでいいんじゃないかという内容でした。かなり内容を端折っていますが。

それにしても公人の先生なのに新しく決まったばかりの入試制度に疑義を投げかけるとは恐れ入りました。

でも、確かにおっしゃる通りですね。

今の前期試験は内申点と作文と3科目得点を合計してデジタルに決めます。だから今のシステムの前期で受かる子はほぼ間違いなく後期でも受かるでしょう。しかしそれでは前期と後期に分けた意味があまりないんじゃないかと私も思います。

これなら昔の推薦制度の方がまだ良かったかなとも思います。

推薦入試というのは、部活で優れている子やボランティアを頑張った子の特別入学枠みたいな感じで、勉強はそれほど得意ではなくても一芸に秀でている部分を認めるというものでした。

ただ、募集人数が定員の30%というのは多すぎで、5%ぐらいが適切でしょう。逸材がそんなにいるとは思えません。で、残りの95%を一発で決める。これがベストと思います。

今年の2月に、今度中3になるあるお母さんと面談したときのこと。お母さんは「なんとか前期で行ってほしい」ということをしきりに口にされていました。

私は不思議に思い、「どうして前期にこだわっていらっしゃるのですか?」と問うと、逆に目を丸くして言われました。「だって後期で行く人というのは…ちょっと言いにくいですけど、成績がいま一つという人たちじゃないんですか?」

「えっ?」
今度は私が驚きました。お母さんはどうも、前期で優秀な人が取られて、後期で残り物が補充されるみたく思っているようです。

私はそのあとお母さんに入試の仕組みについて丁寧に説明しました。しかし入試制度というのは複雑なものなので、お母さん的には話を聞いてもどうもしっくり来ない様子です。

逆に「じゃあ、なんで前期後期と分かれているんですか?」と質問されました。

「ん~そこなんですよ、そこ…」私は腕を組んでため息をつきました。

「これは勝手な推測ですが…昔の推薦のときは学業以外の部分で決まったところもありました。でも今は得点ですからねぇ…。となると…前期があるのは早くラクになりたい、早く決めてしまいたいという人たちの要望に応えるためでしょうね。あとはチャンスが複数回あるなら利用しようという…」

「はぁ」

「それ以上でも以下でもない気がします…。ちなみに私の子どもは小5ですが、将来の高校受験でたとえ前期で受かる力があったとしても受けさせないつもりですけどね。」

「え?何でですか!?」

「後ろにチャンスがある状態で受かってもその後の本人のためにならないと思うからです。俺はこれだけやったから受かった、これだけやったけど届かなかったという経験を積ませる方が志望校に入ることよりも上だと思っているもので。まあこれは個人の意見であって、きっと誰からも賛同されないでしょうけどね(笑)」

「えー!…でも前期ってそういうものだったんですか…。優秀な人だと思ってた…」

「違います違います(笑)。そりゃあ結果的に優秀?な人が受かるかもしれませんけど、高校に入ったら分かりませんよ。後から入った方がトップを取る話はよく聞きます。

だいたい2月に合格が決まった人はほかの人に比べて1か月遊んじゃうんです。たとえ遊ばず勉強していたとしてもどこか緩んでしまっている。一方、後期の人は生か死かのような緊迫した場面が続きます。個人的にはこれがデカい。

あとは合格発表もそう。後がある状態で受け取る通知と、後がない状況で知る結果には天地の違いがあります。

入試というのは15歳にものごとの重要さや非情さを伝えるまたとないチャンスなんですよ。入試以外にあれだけの歓喜や絶望を体験できる何かがあるとは到底思えない。

もしウチの子が前期を受けて受かってしまったら、子どもからその貴重な体験を奪ってしまうことになります。それを捨ててまで前期を受けさせることにあまりメリットを感じないんですよね。

まあ今はこう言っていても、子どもが中3になったら我が子かわいさからまた違うことを言うのかもしれませんが…(笑)とにかく今は一発勝負がいいと思っています。

ちなみに和歌山や埼玉はすでに前期後期の入試が一本化されたんです。千葉とか高知、青森も来年や再来年にはそうなります。全国的にそうなればいいんですけど」

テーマ :
ジャンル : 学校・教育

プロフィール

hyperlearnig

Author:hyperlearnig
<塾長> 工藤 豪

大学卒業後、半導体エンジニアの道へ進む。
2年後脱サラし、生徒らとの一喜一憂をもとめて2000年に塾を設立。

地域の学力に貢献しているかは不明も、成績を伸ばしたいと考える彼らのために日夜奮闘中!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR