面談で聞くお話

「ウチの下の子なんですけど…」

あるお母さんと面談していたとき、今度小4になる年下のお子さんの相談を持ちかけられました。

今まではそんなに勉強が難しくなかったので自由にさせてきたけれども、高学年になるとなかなかそうもいかないですよね…どうしたらいいんですかね…という内容。

「私も頭がいい方ではなかったもので…、私のDNAを引き継いでだんだん勉強が分かんなくなってくるんじゃないかと思っているんです」とお母さん。

DNAですか…よく聞く話ではありますが…。

私は生物学者じゃないのでそこら辺の詳しいことはよく分かりませんが、実感としては、遺伝というのはあるといえばあるし、ないといえばない印象を持っています。

たとえば兄弟で、3兄弟そろって頭がいいケースもあれば、その逆、3人ともそろって学習内容の理解が難しいケースもあります。今まで塾をやってきてそういう例を何組も見てきました。

しかし、その正反対、上の子は学年で最下位なのに下の子は学年のトップクラスという家もあります。数としては、上ほどではないですが、決して少なくはありません。

兄弟間で多少得点差があるくらいなら分かるのですが、最下位とトップですからね…この差はいったいなんなのか。

「ご両親そろって高学歴なのに、そのお子様は勉強が苦手だったり…、

両親ともフツーの学歴なのに子どもはとんでもなく頭が良かったりとね…まあいろいろあります。

…DNAってどうなんですかね(笑)」

私がう~ん…と困ったように話すと、お母さんはそういうものですかと笑いながらも、一呼吸おいて言われました。
「親としてどんなことに気をつければいいというのはありますか???」

「ああ、それはとても良い質問ですね。もちろん、ありますよ!」

過去に何回かブログで書いてきたことですが、子どもの学力を伸ばすために、身近にいる親だからこそやってほしいことがあります。それは…

「それはですね…たとえばテストとかを点数で判断しないことです」

私がきっぱり言い切ると、お母さんは一瞬「へ?」と戸惑う表情をされました。

確かにこれだけでは意味が分からないので、話を続けました。

「たとえばですね、お子さんが算数のテストをお母さんに見せに来たとします。

本人は『見て見て90点だよ!』と大はしゃぎ。褒めてもらいたくってたまらない様子です。

こういうとき、『ほめて伸ばすのが大事だと何かに書いてあったわね』なんて言って、つい褒めてしまうお母さんが多いんではないかと思うんですが…」

「えっ?ダメなんですか?」

「ははは…ダメですね…。だって平均が95点かもしれないし(笑)」

「…あ、まあそうですね(笑)」

「それに、問題は何点取ったかよりもですね…

分からないところが改善されたのかどうかが大事なんですよ。

親はテストを受け取ったとき、手放しで褒める前にまずやることがあるんです。

『このマイナス10点のところはもう分かったの?』と聞くこと。これがすべてです。

そこで子どもが、ここはもうわかったよ、これこれこういう理由で間違ったんだと言ったら…大変素晴らしい。

間違ったところの学習能力がある証拠です。以後、絶対に伸びます。

親としては子どもがそう言ったときこそ大いに褒めなければなりません。

これをもし、『90点』と聞いただけで『すごいねー!』なんて褒めていたら…、

子どもは間違いの修正よりも、良い点を取ってくることが大事だと勘違いしてしまいます」

お母さんはうんうんとうなずきながら話を聞いています。私は過去のできごとをちょっと思いめぐらし、話を続けました。

「ちなみに中学生に問題を解かせているとき、ちらちら隣を覗いてカンニングしている生徒が毎年何人かいます。

私はそういうとき、あとで本人に注意する一方で別のことも思います。

ああ、おそらくこの子は過去に点数だけで親に褒められてきた経緯があったんだろうな…かわいそうに…と」

「なるほど…それはそうですね」

「さっきとは逆に、仮に50点を持ってきても同じですよ」

「えっ?」

「50点と知ると普通お母さん方はビックリして『何なのこの点数は!』とやってしまいますよね」

「ああはい、言いそうですね(笑)」

「でもダメですよそれは。平均が20点かもしれないんだし(笑)

まあ、それは置いといて…仮に自分の子どもが平均点よりも悪い点数だったら…さて、どうします?

母親としては心中穏やかではいられないんじゃないでしょうか?」

お母さんは微笑みながらうんうんとうなずいて話を聞いています。

「もし本当にそういう場面があったら…子どもを伸ばす絶好のチャンスがやってきましたね。

そこは慌てず騒がずプンプンせず、さっきと同じように、なんで間違ったか確認したの?と聞いてください。

子どもはてっきり低い点数を怒られるものと思っているので、お母さんの対応に、あれっ?となるはずです。

そしてもし、間違いの確認が済んでいたら…、これは点が低かろうが思いっきり褒めてください。私だったら、たとえテストが0点でも見直しさえやってあったら『よくやった!』と言って頭をガシガシ撫でます。

しかし、間違いをほったらかしていたら…そこで怒ります。

良い成績でも悪い成績でも見るポイントはいつも一緒。見直ししたかどうか。これのみです。

これを繰り返していると…、

やがて子どもは、ああ、そうか…お母さんの怒るポイントは点数じゃないんだ、見直しが大事なんだな…と悟り、勉強の上でとても重要なことを知ることになります」

話が終わると、お母さんは「言われてみれば確かに…。タメになりました!」と明るく返事なさいました。

塾でもその点に気をつけながら褒めたり励ましたりしていますが、子どもにとって、私たちに褒めてもらうのとお母さんに褒めてもらうのとでは天地の差があります。

小3から中1くらいまでのお母さんにはぜひやってもらいたいことですね。

テーマ :
ジャンル : 学校・教育

プロフィール

hyperlearnig

Author:hyperlearnig
<塾長> 工藤 豪

大学卒業後、半導体エンジニアの道へ進む。
2年後脱サラし、生徒らとの一喜一憂をもとめて2000年に塾を設立。

地域の学力に貢献しているかは不明も、成績を伸ばしたいと考える彼らのために日夜奮闘中!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR