高専合格も…

今週の木曜日、授業前に中3男子が私のもとにやってきて意気揚々と語りました。「あ、先生!ボク、高専受かってました。」

「お~、それは良かったね!」

私は一言だけ発して、すぐに雑務に追われることに。塾の授業前の時間というのはかなり慌ただしいのです。

個別指導の先生への指示、
次々来る生徒への声掛け、
今日は誰が休みで誰が振替授業に来るからその人にはこれをやらせるように…など、一秒のスキマもなく次々やることが押し寄せてきます。

しかし、合格の吉報はやはりうれしいもの。

テキパキ仕事をこなしている最中、知らず知らずに笑みがこぼれたのか「あ、先生笑ってる!」と女子生徒から指をさされました。

そうこうしているうちにあっという間に授業時間になり、全員に言いました。
「はい、みんな、〇〇が高専の推薦に受かったそうだ」

すると、これから高専一般入試を受けようとしている男子らが羨ましそうに「いいなぁ~」と語ります。女子からも「おめでとう」の声が。

「まあ、それはよかったけどね…なんかつまんねぇな」

私がそう言うと、女子たちは一斉に攻撃を開始しました。
「なに、そのつまんないって!」「最っ低ー!!」

もはやお約束となったこの掛け合いを見てクラス全体が笑います。

「いやーだってさー…〇〇の実力があれば一般入試でも十分受かるのに。それが推薦でねぇ…

 普通だったらね…
 もう後がない背水の陣で入試を迎えてさ…
 ハラハラドキドキの中受験するわけよ…

 そして合格発表の日、ああ受かってるかな…ダメだったかな…と心臓が張り裂けそうな思いで合格掲示板を見つめる…

 頼むっ!名前あってくれっ!との思いで必死に探してさ…
 んで、そこに自分の名前があったのを発見した瞬間…

 今まで味わったことのないようなとてつもない感動に包まれるんだ。

 誓ってもいいけど、もし〇〇が推薦じゃなくて一般で合格だったら、『受かりました!』の声が1オクターブは違ったね。
 
 逆に名前がなかったらなかったで、これまた今までにない深い絶望感に見舞われる。

 どっちに転んでも強烈な記憶として残ってさ、その体験が今後のキミらの長~い人生、いろんな場面で生かされるんだけどなぁ…

 受験ってのはね、15歳でそういう体験を積むことに意義があるんだよ。
 それがねぇ…推薦でねぇ…。面接と作文で何が分かるかっての…」

女子たちの軽蔑のまなざしをよそに、合格した彼の方を見ると本人はニコニコ顔で話を聞いています。

大変頭のいい男子なので、彼は私がどういう思いで言っているのか分かっているのでしょう。

「お母さんはもう知ってるのか?」
「はい」
「喜んでた?」
「ええ、はい」
「そっか、そりゃあ良かった(笑)」

********************

その後、理科の授業で順番に答えを当てていき、彼の番になりました。

「はい、じゃあ酸化銀の化学式は?」

すると彼は落ち着いた声で「OFeです」と答えます。

「は?いまなんと!」

「あ!間違った!OFeです」

Feは銀じゃなくて鉄だし、酸化鉄だとしてもFeOと順番が逆だし 、あまりにひどい答えに一瞬棒立ちに…

すると、これから高専を受ける男子らが「なにそのOFeって!」「OFe?はっはっは!」とここぞとばかりに冷やかし大笑いしました。

「お前…ひどすぎるな…。よし!オレ、明日高専に電話する。
『〇〇君は、酸化銀をOFeと言いました。こんな知能の低い生徒は合格取り消しした方がいいですよ』って」

クラスが大笑いする中、彼は恥ずかしそうに言いました。
「すいません…それはやめてください(笑)」

テーマ :
ジャンル : 学校・教育

プロフィール

hyperlearnig

Author:hyperlearnig
<塾長> 工藤 豪

大学卒業後、半導体エンジニアの道へ進む。
2年後脱サラし、生徒らとの一喜一憂をもとめて2000年に塾を設立。

地域の学力に貢献しているかは不明も、成績を伸ばしたいと考える彼らのために日夜奮闘中!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR