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自習に来る人たち

午後2時半。

教室掃除を終えて一息ついたころ、入り口のドアがそろそろと開きました。

壁で姿が見えませんが、「こんにちは!」と入口の方に声をかけると中3女子の挨拶が返ってきます。

やがて室内に入ってきた女子に「あれ?こんな早い時間に?」と聞くと、「今日は終業式で学校が早く終わったから…」と返答。

その後、通信簿はどうだったかなどの話をしたあと「自習はどの部屋でやればいいですか?」と聞いてきました。

(ほう、こんな早い時間から…)

ちょっと驚きましたが、意欲があるのは関心なことです。私は早速奥の部屋を暖めて、勉強がスタートできるように支度をしました。

やがて二人目がやって来て近くで勉強を始めます。

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二人とも社会の用語をルーズリーフにまとめていました。

「先生!私、先生の言った通り、トイレに年表とか書いて貼ってたら覚えたよ!」

「うんうん。それが大事なんだよな。書いて終わりにするのではなく、見続けるための工夫をする。いいねー」

「この前の模試でそれがばっちり出てさぁ。テスト中『あ、トイレのあそこに貼ってあったやつだ』って思ったの!」

「ほう、それは良かったな」

「なんか問題出して!年号とか…」

「ふ~ん…じゃあ、日露戦争は?」

「えっと、1000……1800…」

「はいブブー。1800年台ではありませんっ!
 …お前……秒殺だったな……」

「あ…はは…」

********************

やがて「こんちは~」と男子の声が聞こえました。「自習、どこでやればいいすか?」

(おお、お前は…)

やる気がなくて、受験も宮農とか亘理でいい、将来もニートでいいと母親に語っていた男子がそこに立っていたのです。
(※過去ブログ参照⇒母親の悩み4

私は勉強場所を案内しながら彼に尋ねました。「お前がこんな早い時間から自習なんてな…」

すると彼ははにかんで笑いながら言いました。「いや…そろそろ本気になんないとヤバいんで…」

(え…?本気にならないとヤバい…?)

それは予想もしなかったセリフでした。一体全体どういう心境の変化なのか。

この前のはやはり…母親に対するただの反抗期だったのかな…。

私は本心を確かめたくてさらに聞きました。「お前…どうせアレでしょ?家でゴロゴロしてたらさ…お母さんとかに、『塾に行って勉強してきなさいっ!』って言われて来たんでしょ?」

「え?はは…いや、違います」

「ええっ?ホント?」

「ええ…まあ。」

話の間中、彼の表情をよく観察していましたがどうもウソをついているようには見えません。するとホントに本心からやらなきゃって思っているのかな…。

私は続けて聞きました。「お前、志望校は?」

「あ、名取っす」

「え?宮農とかでいいって言ってたんじゃないの?」

すると彼は「え…いや…まあ…」と濁しながら「まあ、今んところ名取です」と答えます。

ほう、言い切ったか…。そのぐらい確固とした目標があるなら…と、その後私は彼を励ますことにしました。

「前回の模試は合格圏だったけど…問題は次だな。次の一月で今回ぐらい取っていれば大丈夫だ。もちろん、2月も手を抜かなければの話だけどな」

彼は私の話をじっと聞き、話の終わるころには、よし、やらねば…と奮起しているように見えました。

(ふ~ん、やっぱりただの反抗期だったのかな…でもまあ、やる気になっているのはいいことだ!)

私は部屋を後にしようと扉に手をかけたとき、ふとあることを思い出して振り向きました。

「そう言えばお前…、将来はニートでいいって言ってたそうじゃないか」

すると彼は苦笑いして身をよじりながら答えました。「ああ…はは…それは随分昔の話です」

ふっ…なるほどね。お母さん、大丈夫ですよ。

テーマ :
ジャンル : 学校・教育

プロフィール

ハイパーラーニング

Author:ハイパーラーニング
2000年に名取市で生まれ、生徒たった1人から始まった塾は、2016年におかげさまで1教室400名を超えるまでになり、同年、五橋に2教室目が誕生いたしました。

これまで、勉強をつい怠ける男子生徒や、受験に不安を感じる女子学生と、日々丁々発止のやりとりを続けてきて十余年、時が経つのは随分あっという間だった感じがします。

初心を忘れず、生徒との一分一秒を大切に。これからも生徒さんの目標達成に向かって共に歩んで参りたいと思っています。

こちらでは各講師が日替わりでクラスの様子をお伝えしてまいります。

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