「対決」 ~エピローグ~

今日も増田中の試験対策。

入会から1か月経つT君には、通常授業以外にも何度も補習や特訓を行っていますがまだまだ力が不足しています。

今日も、今まで何度もやってきた問題を繰り返します。しかし、まだ解き方が分からなくて、書いては消し、書いては消しを繰り返し、机が消しゴムのカスでいっぱいになっています。

(うわー…今日もダメっぽいなぁ…)

私は手が止まってしまったT君に助け舟をやろうと机に近づきました。すると、机の上のあるものに目に留まりました。

「なぁるほどー……わかった…。お前が今まで点数が低かった理由がわかったよ。」私は、彼が使っていた消しゴムを手に取り言いました。

「え?なんですか?」とT君。

「これだよこれ」私は消しゴムを軽く振ってみせます。

「え?それがどうかしたんですか?」

「お前なぁ~……まだ分かんねぇのか。これ、明○義○と書いてあるでしょ。お前には惻隠の情というものがないのかね」

「えっ?」

T君はまだポカンとしていますが、周囲は理解したようでクスクス笑い声が起こりました。

「お前がね……国語をはじめ、得点が低い理由はこれなの。よくもまあ、ウチの塾でこの消しゴムを使うよな(笑)」

すると生徒は「あっ!」と短く叫んで「これは…校門前で配られていて…」と慌てて説明を始めます。

「違う、違う、そういうことじゃないでしょ。校門で配られているからとかじゃなくってさ…」

私はT君の前の椅子に座り、消しゴムを机に置いて言いました。「じゃあ例えばお前はマクドナルドに入ってさ、モスバーガーを食うのね?『校門で配られていたんで…』とか言って(笑)」

自分で言いながらつい笑ってしまうと、クラスのみんなは大爆笑。T君もようやくことの顛末に気付いたようで、消しゴムの包み紙を急いで取り、筆箱にしまいました。

「ふふ…いや冗談冗談。大丈夫だよ、俺はハートが強いから。別にそれを使ってもらって全然構わないんだけどさ(笑)、

でももしお前が『これを使ったらハイパーの先生はいい気持ちじゃないだろうな』って思えたら…、多分国語の点数上がると思うよ。主人公の気持ちとか理解できるようになるんじゃないかな(笑)」

席を立ってふと周りの人たちの消しゴムを見ると、ほかに男子二人が明○義○の色違いの消しゴムを使っていました。

「おいおい、3人も使ってんのかよ。さすがの俺も心がチクチクしてきたぞ(笑)」

テーマ :
ジャンル : 学校・教育

プロフィール

hyperlearnig

Author:hyperlearnig
<塾長> 工藤 豪

大学卒業後、半導体エンジニアの道へ進む。
2年後脱サラし、生徒らとの一喜一憂をもとめて2000年に塾を設立。

地域の学力に貢献しているかは不明も、成績を伸ばしたいと考える彼らのために日夜奮闘中!

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