「対決」 ~前編~

私は教室に入る前に固く誓いました。

(おそらくワークはやってないだろう。でも、ここで引いてはダメだ。

「なに?ワークやってないの?…しょうがないなぁ…じゃあ、金曜までは絶対だよ!」なんつってはやつらの思うツボだ。ナメられたらいけない。

…どれ…久しぶりにとことん追い込んでみるか…)

勢いよく教室のドアを開けると、二中、増中とも周りと楽しそうにおしゃべりをしています。

(ふふ…余裕だな…つーことはやってあるんだろうな……もしやってなかったら……)

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今月、名取一中、名取二中の校内テストがありました。

前回の中間テストのとき、「提出じゃなければやらなくてもいい」などと言って、学校のワークをサボっていた生徒が何人かいたので、

今回はしっかりやってもらうために「テスト日の一週間前までに5科目のワークすべてやって塾に提出すること」という新ルールを作り、クラス全員に厳命しました。

1か月ほど前に入会したばかりの名取一中Sさんは、こちらに提出する期限である11/4の祝日(テストは11日)は、朝からずっと勉強に励んでいたそうです。

夜、塾の授業で「ワーク全部終わりました」と言って私に一通り見せてくれたときはかなり疲れ切った様子でしたが、どこかやり遂げた満足感のようなものが見られました。(結果は約50点アップ)

今日からテストが始まる名取二中の場合も、今週月曜日に私が一通りチェックしています。一応、全員完了となっており、きちんと約束が果たされました。

翌日の火曜日、女の子の何人かが塾に自習に来て、実技科目の勉強をしていました。いつもなら、試験前日まで学校ワークの消化に追われていたのですが…今回は今までと違ってゆとりをもって勉強できているようです。

さて、ここまではいいのですが、問題は増田中の男子組です。。。

テストは来週月曜なので、学校ワークを塾に提出する期限はちょうど一週間前にあたる今週月曜と決めていました。

ただ…、そろいもそろってサボリマンだらけの増田男子チーム。まあ、おそらくやっては来るまい…。

ということで、冒頭のようにこちらもある意味覚悟を決めて授業に臨んだのです。

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「さ、席について!

随分おしゃべりが楽しそうだけど…もちろん学校のワークやってあるんだよね。今日が期限だったよな」

そう言ってクラス全体をサッと見渡しました。
案の定、増中男子チームの面々が困ったような笑いを浮かべていますが、目を合わせないようにノート類を机にトントンしながら話を続けました。

「いや~お前たちはエライよなぁ!

多分、学校のほかの人たちはテストに向けて今から重い腰を上げるんだろうが…

でも、アンタたちは試験一週間前にしてもうすべてのワーク類を終わらせているんだからねえ。

いや~、なんて素晴らしいんだろう!」

そう言ってようやく増中男子の方を見やると、早速何人かから言い訳が始まりました。

「せ、先生……あの~…締め切りは今日の何時までですか?」

「先生…国語と社会はやってあるんですけど…ぜ…全部ですか?」

「あの~……マル付けもするんですか?」

(ほらほら早速おいでなすった。
まあ期待はしてなかったけれども、やっぱりか…
ダメだな…最近ナァナァになっちまってるな…)

私は怒ることはせずに、あえて事務的に言いました。

「ワークは5教科って言ってあったよな。
マル付けも当然だ。
それをしなかったら当たってるかどうかわからないじゃん。
あー、あと……」

私は壁にかかっている時計の方を見ました。

「俺もいろいろ忙しいからさ、遅くても夜の2時、いや3時までにして」

笑いそうになるのをこらえながら涼しげに言うと、男子連中は「えっ…2時…?」「さ…3時…?」とざわめき始めます。

「約束は約束だからね。親に言ってない人はちゃんと言うように!」(つづく)

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ジャンル : 学校・教育

プロフィール

hyperlearnig

Author:hyperlearnig
<塾長> 工藤 豪

大学卒業後、半導体エンジニアの道へ進む。
2年後脱サラし、生徒らとの一喜一憂をもとめて2000年に塾を設立。

地域の学力に貢献しているかは不明も、成績を伸ばしたいと考える彼らのために日夜奮闘中!

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