自信をもって!

「先生、できました!」

数学の難しい問題を一斉にやってもらっている中、A君が手をあげました。
うしろの列に座っているうちの二人がすでに解き終えていて、彼が3人目です。

「どれどれ答えは?」

「…これ…」

「ふ~ん」

「えっ?…違うんですか?」

こちらが当たりともハズレとも言わないので、だんだん不安になってきているようです。

「さあねー。ただ…後ろの二人とは違うね」

そう告げると、彼は「あーやっぱり…」と言って、自分の答えを消そうとしました。

「おいおい、何やってんだよ。消すなって」

「え~…絶対ハズれてるっスよ」

「分かんないだろ。お前が当たってるかもしれないじゃないか」

「え~っ!いや…間違ってますよ…」

でた…。どうして自分に自信が持てないかなぁ…。

A君はことあるごとに、自分はダメだ、バカだと言ってテンションが下がるクセがあります。

この生徒の壁はまさにこの部分。

自分は所詮この程度…と思っている人間は、一生「その程度」でもがくことになります。

A君は誰にも解けない問題を過去に何回も当ててきた実力者。

そのたびに「やっぱりお前は頭がいいんだよ」「これが解けるとはさすがだね」と今まで何度も褒めてきたのですが、そう言うと決まってブルブルと首を横に振って、自分はそんなんじゃない…と元の居心地のいい低いレベルへ舞い戻ってしまいます。

それを見るたび、ああ…せっかくいいモノを持っているのにもったいない…と思うのですが…

私はA君を見つめて言いました。
「間違ってると思うんだったら見直しな」

「はい…。でもなぁ…問題ないと思うんだよな…」

「なら、それでいいんだよ。後ろの二人が間違ってるんだ」

二人をチラ見すると共にニヤッと笑いました。

その後、他の人も問題を解き終え、一人、また一人と手が上がります。

「どれどれ?ほー…これで4人が同じ答えになったな」

そう言って意地悪そうにA君の方を見ると、彼は顔を赤くして言いました。
「ほらーやっぱり…」

「まだハズレだと決まったわけじゃないだろ。
 堂々としていればいいんだよ。
 『ふっ、どいつもこいつもバカばっかりだな…自分のが間違ってるとも知らずに…ククク』
 と心の中で笑ってりゃいいんだ。」

辺りで笑いがおこるも、彼はまだ不安な様子。

そのうち、同じ学校の学年1位、Bさんが手をあげました。

私がBさんのもとへ近寄り、答えを見ます。
A君がその様子をかたずを飲んで見守っているのが分かります。

Bさんの答えは…
残念ながらAさんとは違って、多数側でした。

私は苦笑いしながら言いました。
「あちゃー…A君…終わったな…。
 天才のBさんも向こうに回ってはおしまいだ…。こりゃ勝ち目がないわ…」

A君の顔からさっと血の気が引くのが分かりました。

彼は自分の答えを消しゴムで力強く消しながら、ムキになって言いました。
「ほらね!!!だから言ったでしょ!!!」

その後、私がホワイトボードで解き方と答えをやると、確かに答えは多数側のものとなりました。

う~ん…今回は…残念だったけど…俺の伝えたい部分は分かってくれたかい

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ジャンル : 学校・教育

プロフィール

hyperlearnig

Author:hyperlearnig
<塾長> 工藤 豪

大学卒業後、半導体エンジニアの道へ進む。
2年後脱サラし、生徒らとの一喜一憂をもとめて2000年に塾を設立。

地域の学力に貢献しているかは不明も、成績を伸ばしたいと考える彼らのために日夜奮闘中!

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