真剣勝負

<前回の続きpart.3>

「同級生のたまり場となり、毎日自宅がマージャン会場と化していたS君だが、テストになると…

 常に俺の上を行っていた。

 俺が10位なら、やつは8位。俺が7位ならやつは5位とかね。

 俺は思ったよ。

 ほかのガリ勉君には負けてもいいけど、やつに勝てないのはどうしてだ?

 オレとやつの脳ミソに、何か違いでもあるのか?

 いやいやそんなワケはない。

 そんなバカなことはない。

 ならどうして勝てないんだ?とね。

 高2の学年末、もうこれが最後の勝負になるだろうと思った。

 やつは文系で俺は理系だ。高3ではもう戦えない。

 だから最後のチャンスということで、そのときは平日もよく勉強をやった。

 好きな数学だけでなく、今まで適当に済ませていた苦手科目も率先してやった。

 そしてテストが終わり…

 結果は…また負けだった。

 オレが5位でやつが3位だったと思う。

 ガックリきて、やつに打ち明けた。

 『実はオレ…今回が最後と思ってお前と勝負をしていたんだけどな…勝てなかった…』

 すると、やつはオレの肩をポンと叩きながらこう言った。

 『ほう、工藤!オレと勝負してたの?ハハハ、10年早えよ!』
 
 やつは弱い相手には優しいが、自分が認めた相手には軽口を叩くクセがあった。

 だから、俺はそのように接してもらったことがうれしかった。

 『いや~不思議だな。どう考えてもお前の脳ミソより、オレの方が質、量、香り…全てにおいて上なんだがな』

 『ハッハハハ、相変わらず面白いこと言うなぁ、お前は!』

 その後、しばらく沈黙があったが、俺はとうとう切り出した。
 
 『お前さ…なんでそんなに点が取れんだ?』

 ああ、とうとう言っちまった…
 
 この質問だけは、したくはなかったのに…

 これで上下関係がハッキリしてしまったな…と思った。

 しかし…どうしても解せない俺は…タブーに触れてでも真相を聞きだしたかった。

 すると、やつは少し真面目な顔をして言った。

 『そりゃあ、俺は…』 (つづく)

テーマ :
ジャンル : 学校・教育

プロフィール

hyperlearnig

Author:hyperlearnig
<塾長> 工藤 豪

大学卒業後、半導体エンジニアの道へ進む。
2年後脱サラし、生徒らとの一喜一憂をもとめて2000年に塾を設立。

地域の学力に貢献しているかは不明も、成績を伸ばしたいと考える彼らのために日夜奮闘中!

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