当たってるけどくつがえらない(2)

<前回の続きpart.2>

「ほら、ここにもこう書いてあるでしょう!」

その生徒は自分の正しさを一生懸命アピールしましたが…

先生はムッとして言いました。

「俺はそんなことを教えとらん」

その後男子は怒り狂いました。

手が付けられなくなったお母さんが、塾に電話を寄越し、助けを求めてきました。

私が電話口に出ると、彼は受話器の向こうで嗚咽をもらしていました。

「ク…クソ…あいつ…頭悪すぎる…教育委員会に訴えてやる…」

(う…うわー…これは重たい…ここはひとまずなだめないと…)

「ま…まあ、まあ…。お前の方が正しいんだ。
 先生だって…人間だからミスはするさ…。」

「だ…だったら…マルに直せばいいじゃないスか!」

受話器からはヒックヒックと泣き声が聞こえてきます。

「確かにな。そこは大人げないよな。情けない人間だと思うよ。」

「オレ、これ当たってれば初めて1位取れたんです」

聞けば、1位との差は1点。
ということは、この問題が2点問題だから、これが当たれば逆転。
道理でこんなに悔しがるわけだ…。

「まあ…1位が何ってほどのことでもないし…」とまたなだめると

「先生は取ったことあるからいいじゃないですか!俺は今回…」といってオイオイまた泣き始めました。

そういえばテスト前、調子に乗って「今俺に弱点はない!次こそ1位だ!」と周囲に力強く語っていたっけ…。
ああ、悔しいだろうなぁ…。

彼の心中を察すると言葉が出てきません。

ここはひとつ、やつのためにとことん聞き役になってやろう。
さあ、なんでもいいっ!
思いの丈をぶつけるがいいっ!

と、黙って話を聞いていると、始めは訴えると言っていたのが、次第にぶっ飛ばすだの、殺してやるだの怨念めいた言葉に変わってきました。

こ、これはヤバい…なんとかしないと!

(つづく)


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ジャンル : 学校・教育

プロフィール

hyperlearnig

Author:hyperlearnig
<塾長> 工藤 豪

大学卒業後、半導体エンジニアの道へ進む。
2年後脱サラし、生徒らとの一喜一憂をもとめて2000年に塾を設立。

地域の学力に貢献しているかは不明も、成績を伸ばしたいと考える彼らのために日夜奮闘中!

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