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中1と札束

「今度の日曜日、塾空いてるんですよね。勉強しに来てもいいですか?」
と高3男子が言いました。

もちろんOKです。

そして実際に日曜の朝に高校生二人が自習にやってきました。

結局夕方まで勉強をやっていき、私が中1に校内テスト対策授業を行っているとき帰りました。

中1生たちは、体の大きい男子高校生が帰る姿を興味深く見つめていました。
そこで、私は彼らに向かって言いました。

「あの人はね、今朝10時に教室に来て、今までずっと勉強やっていたんだよ」

すると「ええ~っ?」「すげ~…」「ムリ~!」とあちこちで声があがります。

私は続けて言いました。
「なんでそんなに勉強するか分かるか?
 …あの人にはな…、夢があるんだよ」

話を聞いて、彼らは一斉に推理し始めました。

「え~?大学に受かるため???」

「…医者とかじゃないの?」

「べ…弁護士?」

(ほう、医者や弁護士は勉強しないとなれないと思ってるんだ…中1にしてはなかなかヤルじゃないか(笑))

私は答えを言いました。

「彼はね…高1のとき、真顔でこう言ったんだ。

『先生…、オレ…、将来金持ちになりたいんです。将来…カネにまみれたいんです』ってね」

それを聞いて、中1の生徒たちは笑ったり顔をしかめたりいろんな反応を見せます。

「驚きだろ?
 だから俺は言ったんだ。

『カネにまみれるってすごいな!!!
 それじゃなにかい、風呂桶に札束を詰めてそこにダイブしたいとか思ってんの?』って。

 すると『そうそう!それです!それいいっすね』なんて言ってねー。どう思う???」

手前に座っている男子に振ると
「いやー、すごいですね」と半ば興奮しながら目をキラキラさせて言います。

(うわー、けがれの知らない純白男子にこんなこと言わせてしまって…いいのかな…)

ちょっと戸惑ったものの「どうしてすごいと思うの?」と聞くと、

「え、だって…いや…なんかこう…」

その生徒は、おそらくカネは大事だと言いたいんだろう。
でも、そんなことをみんなの前で言ったら恥ずかしい…みたいな感じで悶えています(笑)

すると後ろの男子がフォロー。「えー、立派ですよ…」

「ほう、金持ちになりたいというのが立派だと?」

「は…はい…」

彼は、緊張気味に、しかしはっきりと答えました。

「よーし、よく言ったっ!男はそうでなくてはいかん!

お前たちも始まったばかり。これからだな。

一生懸命勉強して、お金持ちになるんだぞ!」

女子はあまり反応していませんでしたが、男子はむくむくとやる気が湧いてきたようで、そのあとは俄然身を入れて勉強し始めました。

ふふ、こいつら草食系かと思っていたが…立派なキバをお持ちのようだ

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ジャンル : 学校・教育

プロフィール

ハイパーラーニング

Author:ハイパーラーニング
2000年に名取市で生まれ、生徒たった1人から始まった塾は、2016年におかげさまで1教室400名を超えるまでになり、同年、五橋に2教室目が誕生いたしました。

これまで、勉強をつい怠ける男子生徒や、受験に不安を感じる女子学生と、日々丁々発止のやりとりを続けてきて十余年、時が経つのは随分あっという間だった感じがします。

初心を忘れず、生徒との一分一秒を大切に。これからも生徒さんの目標達成に向かって共に歩んで参りたいと思っています。

こちらでは各講師が日替わりでクラスの様子をお伝えしてまいります。

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