三者三様
「あー、これほしいな」
英語の問題集をやっていた生徒が、私の持つ解答を手に取り言いました。
「ほーう、どうしてそう思うんだ?」
「えー、だってこれあったら前のところも自分で勉強できんじゃん」
「おお!」
彼は中3で、基本的な内容を繰り返し行う「標準クラス」の生徒。
一つ上の「特進クラス」には生徒全員に解答を渡していますが、「標準クラス」は解答を抜いていました。宿題をやるとき、答えを丸写ししてくる恐れがあるからです。
「…だから抜いてたんだよ。お前は(丸写し)やらない?」
「するわけないじゃん。部活終わったし…、勉強やるよ」
「よしっ!よぉ~く言ったっ!なら喜んで差し上げるよっ!」
(そうそう、それを待っていたんだ!)
私は腕まくりして、段ボール箱から意気揚々と解答を取り出し、彼に渡しました。
「いや~素晴らしい!ガンガン勉強して早く特進に上がってこい!」
「いや、それは無理でしょ」
「そんなことないって。そういうことを言えるんだから上でやるべきだ!」
「いや無理無理」
(でたーっ!!ムリムリ病ーっ!!ま、でも今日はそこはいい…)
続いて、隣に座って勉強していた友人男子に言いました。
「お前は?聞いたか今の?」
「あ、は…はい…」
「んで?『オレも解答ほしい』ってなんないの?」
「あ、いや…今、塾の宿題と学校の課題でいっぱいで…それで…あの…」
「はい、言い訳ね…もういいよ」
続いて後ろの席に座っている、長い前髪を常に気にしている男子に言いました。
「お前はどうなんだ?
こいつは今から変わるぞ~~っ!!
さあ、続けっ!!」
精一杯励ましたんですが…彼ははにかんで言いました。
「ハハ…オレは見ちゃうんで…」
「ナニが?!」
「解答を…。だからいいっス…」
……。
全然話が通じてないんですけど…。
英語の問題集をやっていた生徒が、私の持つ解答を手に取り言いました。
「ほーう、どうしてそう思うんだ?」
「えー、だってこれあったら前のところも自分で勉強できんじゃん」
「おお!」
彼は中3で、基本的な内容を繰り返し行う「標準クラス」の生徒。
一つ上の「特進クラス」には生徒全員に解答を渡していますが、「標準クラス」は解答を抜いていました。宿題をやるとき、答えを丸写ししてくる恐れがあるからです。
「…だから抜いてたんだよ。お前は(丸写し)やらない?」
「するわけないじゃん。部活終わったし…、勉強やるよ」
「よしっ!よぉ~く言ったっ!なら喜んで差し上げるよっ!」
(そうそう、それを待っていたんだ!)
私は腕まくりして、段ボール箱から意気揚々と解答を取り出し、彼に渡しました。
「いや~素晴らしい!ガンガン勉強して早く特進に上がってこい!」
「いや、それは無理でしょ」
「そんなことないって。そういうことを言えるんだから上でやるべきだ!」
「いや無理無理」
(でたーっ!!ムリムリ病ーっ!!ま、でも今日はそこはいい…)
続いて、隣に座って勉強していた友人男子に言いました。
「お前は?聞いたか今の?」
「あ、は…はい…」
「んで?『オレも解答ほしい』ってなんないの?」
「あ、いや…今、塾の宿題と学校の課題でいっぱいで…それで…あの…」
「はい、言い訳ね…もういいよ」
続いて後ろの席に座っている、長い前髪を常に気にしている男子に言いました。
「お前はどうなんだ?
こいつは今から変わるぞ~~っ!!
さあ、続けっ!!」
精一杯励ましたんですが…彼ははにかんで言いました。
「ハハ…オレは見ちゃうんで…」
「ナニが?!」
「解答を…。だからいいっス…」
……。
全然話が通じてないんですけど…。