大人と話せる子ども

「タカハシ先生、あそこの窓に貼るキャッチフレーズ、なんか考えてよ」


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以前、「春期講習」と書いて張り出していた部分がポッカリ空いたので、
元塾生で、小学校教諭を目指している大学4年生の高橋君に何かアイディアはないかと尋ねました。

「お前、ラーメン屋でバイトしてるんだろ。むこうは『スープが変わりました!』とか、なんかにぎやかにやってるよね。ちょっと思いつかないから、小学生が来るまでの間、知恵を貸してくれ」

すると、「急にそんなこと言われても…」と、彼は苦笑いを浮かべ戸惑っています。

「それに、新入生募集とか無料体験とかはもう飽きたから、なんか斬新なのよろしくね」とたたみ掛けると、

「ええ~っ!?わかんないっすよ!」とわめき始めました。

弱った顔を見ていたら面白くなってきた。

「ほら、そこの裏紙に!
思いついたのをありったけ書いて!」

いや~、困っている者を追い込むのは実に楽しい。

「そういえば…、お前にひとつ教えていないことがあったな。
外部へ向けての発信力。いわゆるアピールってやつ。
大事だよ~、これは。社会勉強。
お前が世に出る前に…、いま最後の教育を行ってあげているんだ。」

それを聞いて、高橋君が「ええ~っと…ええ~っと…」とつぶやくのを面白おかしく見ていたら、もう一人クスクス笑っている人がいました。

この春入ったばかりの小5の女の子で、授業開始時間の前に教室に着き、静かに学校の宿題をやっていた生徒です。私と高橋君のやり取りをハタで聞いていて、おかしく感じたようです。

ふ~ん、この子もこの面白さがわかるのか・・・、と思っていたら、授業開始時間が来たようで、他の小学生たちが次々と元気よく入室。さっそく授業が始まりました。

私も別室で仕事をし、2時間後に戻ってきたら授業が終わっていて、先ほどの女の子が一人、教室に残っていました。お母さんのお迎えを待っているようです。

そして…
私がデスクでこのあとの授業の用意を慌ただしく行っているときでした。

その女の子が私のそばまで歩いてきて「先生ー、決まったんですか?」と声をかけてきたのです。

私はビックリして声が出ませんでした。
ほとんど初対面に近いのに、まさか向こうから話しかけてくるなんて…
「先生」って、ひょっとして自分のことかなと思いましたが、こちらの目をまっすぐに見ているので多分自分に話しかけているんだろう。その後「何のこと?」と尋ねると、

「あれですよ、キャッチフレーズ」

その子はそう言って笑みを浮かべながら窓を指さしました。

(ああ、すっかり忘れていた…。そういえばこの子…、さっき高橋君をからかっていたときに話を聞いていたっけ…。こちらに話しかけたのは…、お母さんを待っている間の手持ち無沙汰からなんだろうが…だとしたらこの子、、、スゴいな…)
と思いました。

大人のユーモアある会話を聞き、それにこんな形で、年の離れた私に臆することなく話しかけられるんだから…。(オレ…貫禄ないのかな…。)

やがてお迎えが来て、笑顔で宿題をカバンにしまうその子の姿を見て思いました。

あなたのコミュニケーション力は、将来きっと大きな武器になるだろう…と。
プロフィール

hyperlearnig

Author:hyperlearnig
<塾長> 工藤 豪

大学卒業後、半導体エンジニアの道へ進む。
2年後脱サラし、生徒らとの一喜一憂をもとめて2000年に塾を設立。

地域の学力に貢献しているかは不明も、成績を伸ばしたいと考える彼らのために日夜奮闘中!

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