感情は消してくれ(後編)

中2中3の基礎基本の指導を行う「標準クラス」。

そこを担当しているベテラン講師の真田が、授業後私にいいました。

「いや~、マイッタ、マイッタ…」
「どうしたんですか?成績表もって」
「教科書の単語テスト(中2:unit7)をやったんだけどさー、冬休み明けたらほとんど忘れてる」
「そりゃあそうでしょうね…」
「こいつなんて、1問しか当たってない!しかも『ラブ』。そんなの不良でも書けるって」
「ハハハ」
「図形もさー…みんな証明頑張ってるんだけど…」
「ほう、証明を…」
「でも角度になると…ホントはそっちの方が簡単なんだけど、数学できない奴は勝手に決めつけてるんだよね」
「え?たとえば?」
「90°なんてどこにも書いてないのに、『90°っぽいから』と言って進めるわ、『正三角形と思った』と言って60°使ってハズれるわ…感覚で解いてるんだよね」

感覚!

それはまさに、ここ最近ずっと考えてきたことです。

数学ができない人にとっては、解法よりもある意味それが大問題なんです。私はこれを「フィーリング解答」と呼んでいますが…。
落ち着いて考えれば決して解けないわけではないのに、コンマ何秒で「そこは90°」と決めつけて間違ってしまう…。いや…、実は間違った方がまだいい。×がついたことによって、どうだったのか振り返れるから。むしろ偶然当たった時の方がコワい。この先、ずっと自分の考えが正しいと思って進めてしまうので…。

以前、9a=3という方程式で、a=3とやっていたある中1男子に言いました。
「どうしてa=3なんだ?」
「えっ?だって割り切れるじゃないですか」
「割り切れないよ」
「えー、割れますよ!」
「割れねーよっ!」
「???」
「どっちをどっちで割るの!」

ここで初めて気づいたようで、テヘッ…と苦笑いを浮かべら答えを書き直しました。
「お前、フィーリングで9÷3をやってるんだな」
「はは…」
「あのな、お前の家に凶悪犯が押し入った。そして、お前のかわいい妹を人質にとった。そいつはその妹の喉元にナイフをあてがいながらお前にこう言うんだ。
『おいお前、9a=3を解け!もし間違ったら…この子の命はないぞ!』とな。それでもフィーリングで解くか?」
「はは…は…」
「そういう場でも『はいはい、こんなの9÷3で3に決まってるでしょー!』と感覚で解くのか?
横で『お兄ちゃーん、助けてー!』ってなってるのに?」
「いや、それは…」
「常にそういう感覚でいろよ。一点でも落としたら、あいつの命が…って」

「フィーリング解答」は、楽天家には、ある意味「緊張感」や「恐怖心」が抗生剤となりますが…植え付けるのは困難です…。

またあるとき、中3で、ひし形を正方形と思って解いていた生徒に言いました。
「どうして正方形と思ったの?どこにも90°とは書いてないのに。」
「あ…」
「見た目で決めつけるなよ!お前は道ばたできれいな女の人を見たとき、綺麗だな、お近づきになりたいなと思うか?良く調べてもいないのに?本当は男かもしれないんだぞ!…ってそれは俺の昔の話か…とにかく疑ってかかってほしいってこと!」

「フィーリング解答」のもう一つの抗生剤は、「検証」です。
「そうは見えるけど、本当にそうなのか試してみよう」という気持ち。これをめんどくさがるから「フィーリング」に走るのです。数学嫌いな人は、こんな「検証」みたいなことをやっていてはそれこそ地獄だから、この工程をパスして結果的に見た目や感覚判断になります。

このように、中3のこの時期に来て、できる人とできない人というのは、ほんのちょっとの意識の差だと思います。

この記事を見ている中3のあなた、「検証、検証、検証」ですよ。
プロフィール

hyperlearnig

Author:hyperlearnig
<塾長> 工藤 豪

大学卒業後、半導体エンジニアの道へ進む。
2年後脱サラし、生徒らとの一喜一憂をもとめて2000年に塾を設立。

地域の学力に貢献しているかは不明も、成績を伸ばしたいと考える彼らのために日夜奮闘中!

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