朱に交われば赤くなる
自習していた中3男子に言いました。
「志望校は名取北でいいのか?」
「あ…はい」
「お前の成績ならもうちょっと頑張れば東ぐらい行けるが…どうだ?」
「いや、北で…。」
「どうして北がいいの?近いから?」
「いや別に…」
「周りは相変わらず名取北とか名取が多いのか?」
「いや、みんな宮農って言ってます」
宮農?
これまた落ちたもんだなあ…。
「周り」と聞いたのは、この学校の男子は、昔から高校といえば名取北や名取という空気が出来上がっていたからです。先生も生徒の志望校に関してとやかく言わないようだし、校内推薦が通ればほぼ合格ということまで決まっていました。それが、今年は宮農っていうんだから…返す言葉が見つかりません。
(※上を狙っている人はもちろんいるでしょう。それに関しては今ここでは触れません。)
周りがナトキタでいいや、ミヤノウでいいやとなって勉強もせずに遊んでばかりいたら…中学生だったら簡単に流されてしまうのではないかと思います。自身が周囲に流されず確固とした目標をもってやり抜くのは至難の技しょう。
昔、沖野で教えていたことがあります。そして彼らは大半が地元の東高校を希望しました。
また、宮城野で教えていたこともあります。今度は、全然勉強ができない人でもとりあえず第一志望に一高と書いていました。一高がどのくらいのレベルなのか分かっていないようだったのでボーダー表を見せながら教えてやると、そんなにすごいところだったんですかと驚きはするものの、志望校を下げることはしません。普通だったら、じゃあ僕はこの辺で…と下を指さしてもよさそうなのにそうしないのです。
下げないなんてエライねと感心しつつ、何か特別な行きたい理由でもあるのかと聞くと、「いや別に…」と、冒頭の生徒と同じセリフを返します。
その後、なんとなく理由がわかってきました。いつも遊んでいる友達連中が、何かあるとそろって一高を口にするのです。親もそう。おそらく学校も意識しています。一高は宮城野地区にとって最寄りの学校です。生徒らは幼いころからそれを見て育ってきています。だから自然と、高校といえば一高と考えるようになったのだと思います。
…これはデカい。先ほどの生徒は一高のレベルを知った後「じゃあいっぱい勉強がんばらないと」と言いました。
宮農でいいやと思った生徒はこうなるだろうか。「じゃあ、しばらくは遊んで暮らせるな」となるのではないか。
別に宮農を悪く言っているわけではありませんが、こういう環境で育ってしまっては、努力しない人間が出来上がってしまいます。子どもは世間を知らないから、近くでいい、周りがそういっているから自分も…となるのはある意味仕方がありません。だから近くにいる大人が諭してあげないと!それは親であり学校であり僭越ながら我々でもあると思います。
昨年の実例をあげると、
「A高とB高で悩むんだったらB高に行っとけ!大学進学率に雲泥の差があるから!BとCならどっちでもいいよ。偏差値ほどの差はないから。でもAとBだったらBだ。将来の選択肢が広がるから!」と言って進学データを見せながら説明しました。本人は悩んでいましたが、数日後学校の面談でも職業の幅が広がるからBにするべきと言われたとのこと。
うわー、いるんだ、こんな素晴らしい先生が。ちゃんとあなたのことを思って言っているんだね。担任に感謝するんだぞ!…と、これは市内のほかの中学校の先生の話ですが、私とその担任からと、そしてご両親の後押しもあって、その子は志望校をB高に決定し結果は合格。楽しい高校生活を送っています。学校やご両親が、別にAでいいよとなっていたらこの結末はあり得ませんでした。
朱に交われば赤くなるといいますが、赤くならぬよう親や周囲が引き上げ続けることが大切だと思います。
「志望校は名取北でいいのか?」
「あ…はい」
「お前の成績ならもうちょっと頑張れば東ぐらい行けるが…どうだ?」
「いや、北で…。」
「どうして北がいいの?近いから?」
「いや別に…」
「周りは相変わらず名取北とか名取が多いのか?」
「いや、みんな宮農って言ってます」
宮農?
これまた落ちたもんだなあ…。
「周り」と聞いたのは、この学校の男子は、昔から高校といえば名取北や名取という空気が出来上がっていたからです。先生も生徒の志望校に関してとやかく言わないようだし、校内推薦が通ればほぼ合格ということまで決まっていました。それが、今年は宮農っていうんだから…返す言葉が見つかりません。
(※上を狙っている人はもちろんいるでしょう。それに関しては今ここでは触れません。)
周りがナトキタでいいや、ミヤノウでいいやとなって勉強もせずに遊んでばかりいたら…中学生だったら簡単に流されてしまうのではないかと思います。自身が周囲に流されず確固とした目標をもってやり抜くのは至難の技しょう。
昔、沖野で教えていたことがあります。そして彼らは大半が地元の東高校を希望しました。
また、宮城野で教えていたこともあります。今度は、全然勉強ができない人でもとりあえず第一志望に一高と書いていました。一高がどのくらいのレベルなのか分かっていないようだったのでボーダー表を見せながら教えてやると、そんなにすごいところだったんですかと驚きはするものの、志望校を下げることはしません。普通だったら、じゃあ僕はこの辺で…と下を指さしてもよさそうなのにそうしないのです。
下げないなんてエライねと感心しつつ、何か特別な行きたい理由でもあるのかと聞くと、「いや別に…」と、冒頭の生徒と同じセリフを返します。
その後、なんとなく理由がわかってきました。いつも遊んでいる友達連中が、何かあるとそろって一高を口にするのです。親もそう。おそらく学校も意識しています。一高は宮城野地区にとって最寄りの学校です。生徒らは幼いころからそれを見て育ってきています。だから自然と、高校といえば一高と考えるようになったのだと思います。
…これはデカい。先ほどの生徒は一高のレベルを知った後「じゃあいっぱい勉強がんばらないと」と言いました。
宮農でいいやと思った生徒はこうなるだろうか。「じゃあ、しばらくは遊んで暮らせるな」となるのではないか。
別に宮農を悪く言っているわけではありませんが、こういう環境で育ってしまっては、努力しない人間が出来上がってしまいます。子どもは世間を知らないから、近くでいい、周りがそういっているから自分も…となるのはある意味仕方がありません。だから近くにいる大人が諭してあげないと!それは親であり学校であり僭越ながら我々でもあると思います。
昨年の実例をあげると、
「A高とB高で悩むんだったらB高に行っとけ!大学進学率に雲泥の差があるから!BとCならどっちでもいいよ。偏差値ほどの差はないから。でもAとBだったらBだ。将来の選択肢が広がるから!」と言って進学データを見せながら説明しました。本人は悩んでいましたが、数日後学校の面談でも職業の幅が広がるからBにするべきと言われたとのこと。
うわー、いるんだ、こんな素晴らしい先生が。ちゃんとあなたのことを思って言っているんだね。担任に感謝するんだぞ!…と、これは市内のほかの中学校の先生の話ですが、私とその担任からと、そしてご両親の後押しもあって、その子は志望校をB高に決定し結果は合格。楽しい高校生活を送っています。学校やご両親が、別にAでいいよとなっていたらこの結末はあり得ませんでした。
朱に交われば赤くなるといいますが、赤くならぬよう親や周囲が引き上げ続けることが大切だと思います。