タメになるホラー話③「上から見下ろす」

「それでここは、~~となって~~となって、こうなるの。どう?分かった?」

「はぁ~・・・なんとなく・・・」

「はい、じゃあこれをやってみよう!今のと解き方はほとんど同じだからね」

「ふぅ・・・ハ~イ・・・」

「・・・・・・・・う~ん、手が動かないな。もう一回言うよ!まずはここを求める。それが分かればここが分かる。それを使って式にあてはめ答を出す。この問題は3段階のプロセスになってるの。一つ一つのやり方はお前なら知ってるよな?」

「はい。それは分かるんですけど・・・」

「じゃあ必ず解けるはずだよ。勇気を出して!・・・あ、そうだ!君にピッタリの話をしてやろう。彼女はね・・・」

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タメになるホラー話
第3話「今菜野 夢理(こんなの むり)」


「はい、じゃこの小テストやるぞ。時間は10分!始め!・・・・・・あれ?今菜野さん?どうしたの?全然手が進んでないよ」

「はぁ~・・・全然わかんない・・・」

「え?これ、いつも当たってたじゃん。ちょっと文章が長いけどいつものあれだよ。こうやってこうやって・・・」

「・・・?・・・?!・・・ああ!」

「う~ん、どうも分かる分からないの問題じゃないなこれは・・・。今菜野さん、数学に苦手意識があるでしょ」

「はい・・・。数学はキラいです・・・。見るのもイヤです・・・」

「見るのもイヤねぇ・・・。まあ、好きになる必要はないんだけどさ。でも受験科目にある以上、嫌いだといって逃げ回るわけにはいかないよね」

「はい・・・でも、逃げてなんかいません!」

「いーや逃げてるね、俺には分かる。君は数学の問題を見たとき、目の前に越えられない壁のようなものを感じてやってないか?どうせ自分には無理とハナからあきらめてるみたいな・・・」

「え?・・・ああ・・・なんとなく・・・」

「それでは数学は解けないんだよ。たとえたくさん練習をしても『どうせ解けない、こんなの無理』と思いながらやっているうちは頭が働かないんだ。これからは『たくさん練習したんだから、私には解けるはずだ。』『こんなの、ちょろいわ』『さあかかっておいで』と考えなさい。問題を上から見下ろすんだ。」

「上から…ですか」

「そう。多少難かしいときには『私を困らすとはなかなかやるわね』ぐらいの気持ちでね。そうすると、問題を解くときものすごく冷静になれる。頭の中のどの引き出しを開ければいいか、考える余裕が生まれるんだ。がんばって!」

(数日後、テスト中)**********

「うっ、難しそうな文章題・・・。ダメだわ・・・、これは私には無理よ・・・。

ハッ!この考えがいけないんだったわ。

・・・よし、大丈夫だ・・・、私には解けるはずだ・・・、もう私は逃げないっ!怖がらないっ!こんなの余裕よっ!」

(テスト後)*************

「先生~!聞いてください!わたし、わたし・・・、できたんです!

今までできなかった関数が今回はほとんど解けました!」

「良かったな。君は分からないんじゃなく、見ようとしていなかっただけ。よく克服したね」

********************

「へ~、今菜野さん、良かったですね~。でも全然ホラーじゃないですよね、ってかハッピーエンドじゃないですか」

「いや、続きがあるんだ。点が上がって気を良くした彼女は友達と山にハイキングに行ってね」

「なんかそれ、前に聞いたような・・・」

「そしてそこで、なんと熊に出くわしてしまったんだ。
そのとき彼女は『怖くない、こんなの余裕』と果敢に前進して行ってね・・・。・・・で、結局、その熊に・・・。熊はヤバいって熊は・・・」

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ジャンル : 学校・教育

プロフィール

hyperlearnig

Author:hyperlearnig
<塾長> 工藤 豪

大学卒業後、半導体エンジニアの道へ進む。
2年後脱サラし、生徒らとの一喜一憂をもとめて2000年に塾を設立。

地域の学力に貢献しているかは不明も、成績を伸ばしたいと考える彼らのために日夜奮闘中!

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