自己紹介②

<前回の続き>

そのお宅の犬は利口だった。こちらが門を開けて中に入るまでは決して吠えない。これがまだ遠い段階からワンワン吠えるバカ犬だったらこっちもやりようがあったのに。

ウチでも雑種を飼っていたから犬は嫌いではない。というか好き。でもアレはね…

そのお宅の前に自転車を止める。

あたりの暗闇と静けさに気が滅入る。これが昼間なら…日常の喧騒、車の音とか雑音がある中だったらそんなに恐れるほどでもなかったのに。

とにかくシーンと静まり返った中、新聞を一つ、小脇に抱えてゆっくり門を開ける。

犬小屋を見る。奴は寝そべったままだ。目をつむっている。トムとジェリーに出てくる犬と同じ構えだ。

そ~っと右足を上げて敷地内に動かす。まだ足は着いていない。

犬を見る。

ピクンと反応して右目を開けた。それ以外はまったく動かない。

足を着地させないと前へは進めない。この後も配るところがたくさんある。だから早く地面に足をつけないと。

1cmほど足を下ろす。セ~フ。

もう1cm下ろす。奴は左目も開けた。

(ああ、今日もか…。分かっている。心の準備はできている。奴が二本足で立っても中2の自分の方が身長は上じゃないか。)

ゆっくりと、1cm…1cm…、ゆ~っくり右足を下ろす。

そのスピードに合わせて犬もゆ~っくり上体を起こしてきた。
(お前…もし一歩でもご主人様の敷地内に足を踏み入れてみろ、ただじゃおかねえぞ) 目がそう語っている。

こっちもにらみ返す。
(クソッ!オレはただ新聞を置いて帰るだけだから!お前のご主人に何かをしに来たわけじゃないんだよ!昨日もおとといもそうだったろ!お前も利口ならそれぐらい学習しろッ!)

犬とのにらみ合いが続く。奴はウ~ッと唸ることもしない。あたりの静けさが身に刺さる。

もういい。もうガンガン来るのは分かった。肚を決めて踏み出すぞっ!いよいよ決戦!と心では思っても、体はなぜか逆の反応を示す。

足を元に戻す。すると犬も元通りに伏せてまた目を閉じる。

足を上げて前に動かす。奴が目を開く。
足を下に移動。奴が上体を起こす。
足を戻す。奴も寝る。

そういう一進一退の攻防が続く。

で、とうとう!

おりゃ~~ぁぁっ!と心の中で叫んで敷地内に右足をズドン。その瞬間ッ!

鎖よちぎれろ!とばかりにガンガン!根元の杭がブッコ抜けるほどに、「ワンワンワンワンッ!」とね…。

夜中、シ~ンと静まり返る中、耳元で大音量でヤラれるんだからたまらない。あれで寿命が何年縮まったか(笑)

まあ、そんな経験を毎日していたから、学校に着いたら平和で平和で…。授業中もグッスリ寝てた。おかげでオレの教科書は開けない。ヨダレで固まっててね(笑)

ということで宿題はできなかったなあ…。
でも成績は常にトップだった。どこで勉強をやったか?

日曜日にやったよ。ガッチリと。もともと考えるのが好きだから数学は得意だったけど、理社とかの暗記系は努力でしょ?あれはやっぱりやった人には敵わないから。

試しに聞きたい。例えば・・・寛政の改革で行われたことは何かな?
(生徒に次々当てるも正解が出てこない)

おいおい、それは享保の改革だろ。お前のは天保の改革な!

じゃあキミ、享保の中身全部言って。
・・・ハイ、ダメね。

ゴチャゴチャしてるよね。分かる。オレもそうだったから。

だから勉強した。平日まったく勉強をやらなくてもいいように勉強した。

具体的には模造紙を買ってきて、さっきのような改革シリーズとかを大きな字できっちりまとめる。

そしてそれを天井とか壁に貼る。平日、床にゴロ寝しても文字が勝手に目に入ってくるようにね。

洗面所にも画用紙サイズのものを貼った。これで歯磨きをしていても暗記できた。つまり、スキマ時間を上手に活用するってこと。

そうそう、優秀な人はスキマ時間の使い方が上手いね。

こないだあるラーメン屋に入ったら、サラリーマンぽい人が右手に箸をもって食べながら、左手には本をもって読んでいた。ムム、お主、なかなかデキるな…と思ったね。

そして・・・

******************

長くなるのでこの辺で。

これから1年間教わる先生はどういう人なのかを生徒たちに知ってもらわないと、いい意味で信頼関係は築けないと思っているのでこういう話を1時間ほどやりました。でもちょっと長かったかな…。生徒は笑って聞いていたけど内心はどうだったんでしょうか。早くみんなと馴染みたいと思います!

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ジャンル : 学校・教育

プロフィール

ハイパーラーニング

Author:ハイパーラーニング
2000年に名取市で生まれ、生徒たった1人から始まった塾は、2016年におかげさまで1教室400名を超えるまでになり、同年、五橋に2教室目が誕生いたしました。

これまで、勉強をつい怠ける男子生徒や、受験に不安を感じる女子学生と、日々丁々発止のやりとりを続けてきて十余年、時が経つのは随分あっという間だった感じがします。

初心を忘れず、生徒との一分一秒を大切に。これからも生徒さんの目標達成に向かって共に歩んで参りたいと思っています。

こちらでは各講師が日替わりでクラスの様子をお伝えしてまいります。

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