悪の演出

冬期講習4日目―

「さあ、今日はテストをやるぞ!」

私は中3特進クラスの教室に入るなり言いました。

普段、5科目バランスよく宿題を出しているものの、授業の方は、ここまで連日数学の図形中心になっています。なぜか。

それは、ほかの科目は自学自習できるけど、図形はなかなか正解できないからです。ちょっと形を変えるとみんなもう当たりません。

だから解き方を教え、
数字を変えて再チャレンジさせ、
解けたらまた形を変えて、
またできないから一から説明し…の繰り返し。
時間が経つのはあっという間です。

生徒の方も、次こそっ!と気合が入っていてもっとやって欲しそうにしていますが、、、毎日同じことをやるわけにもいかない。そこで私は言ったのでした。

「今日はテストをする!
毎日毎日、面積比・体積比をやってきたけど、あれは出ても2問ほどだ。

しかも!
実際に出されたとして、アレが一発で解けるのはこの中で何人いるか。いても2,3人だ。

それよりほかの分野!
最頻値とか確率…、普段やっていないあっちはみんな解けるの?
あそこでズッコケては話にならないよ?

そして―」

と私が語っている間に、何か恐い、あれはヤ○ザだ、とヒソヒソ話が―。

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「おい、黙れ!

そしてな、次が大事なんだが―

こういう問題集を進めるのもいいんだけど、間違ったときのお前たちの感じ方に実は問題があってね。

解答を見て、あっ間違った…マイナスを忘れていた、とか、あ、こっちだったかってね、、、ミスの捉え方にまるで緊張感がないの。

ピンと張り詰めた空気の中で、一問たりとも間違えられない!という恐怖心を作るにはテストしかない。

そこで、講習の中日である今日みんなにやってもらうことにしたんだ。

俺がこういう格好をしているのもそのためなの。

普段のさ、天使のような慈愛に満ち満ちたオレを封印して、できるだけ悪の部分を取り出す。

そういうのも全部お前らに恐怖心を植えつけるためなんだよ。おいそこ、笑うな!」

すると、塾の本棚にある問題集はことごとくやりつくしたマシーンが笑って言いました。
「先生、このテストはどこから取ったんですか?」

「ん?これか?これは極秘ルートでね…命からがら当局の目をかいくぐって…。

あ、ちなみに成績は後でランキング発表するからね。さらに成績優秀者にはプレゼントがある」

こう言うと、おお!とか、イェイ!とか、残念な表情の子が。

競わせるのは大事だけど、弱者のケアも大事だ。そこで―

「ああそうだ。
こう言うと、ああ自分はダメだ…なんて思う人がいるけどあきらめないで!
点数はいまいちでもキラリと光る解答があれば対象になるから!」

すると早速ナマケモノ&お調子者の子虫男子が「なにをもらえるんですか?」

「ちっ、はい出た!俺があげるって言ったらあれだ、兄弟の杯だよ。

さらに言っとくけど、もし大問1の計算でミスるようなことがあったら…!」

「・・・あったら?」

「あとで裏の事務所に来てもらう。はい始め!」

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テーマ :
ジャンル : 学校・教育

プロフィール

Author:hyperlearnig
<塾長> 工藤 豪

大学卒業後、半導体エンジニアの道へ進む。
2年後脱サラし、生徒らとの一喜一憂をもとめて2000年に塾を設立。

地域の学力に貢献しているかは不明も、成績を伸ばしたいと考える彼らのために日夜奮闘中!

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