勝ちたくて芝居を打つ

中2先週の授業にて―

私「というわけで、目標は10位以内でいいね!」

A「いやー…無理っすね…」

B「そうだよ、だって〇〇とか〇〇とか、天才だもん」

C「ははは、俺たちとは違うよね」

「こ…こら…お…お前らな…なんだよその『俺たちとは違う』って…言ってて悲しくない?なんかこうさ…プライドっつーもんはないのかね、まったく… 

 俺もさ…中学で20番くらいのとき、確かに実力を認めている相手はいたよ。

 でも、そいつに敵わないとは思わなかった。…勝ちたい!なんとか1点でも上回りたい…と思ったな。

 例えばさ、俺は英語のリスニングではよく芝居を打った。

 リスニングが流れてさ、『ア』なになに…『イ』なになに…と言うでしょ。

 そのとき、あっ!答えは『イ』だ!と思うけど、わざと軽く首を横に振る。斜め後ろに座っているライバルにウソの信号を送るんだ」

話を聞いて、男子連中は「うそ~!」「そこまでやるか!」と笑っています。

「まだ続きがある。その後、『ウ』なになに…『エ』なになに…となって、『エ』のときにね…、これだ!とわざとらしく手を打ったり、ウンウンと首を縦に振ったりして、その『エ』のタイミングで答えに『イ』と書く。

 すると敵はこう思う。いま工藤は『エ』で動いた!…ってことは…答えは『エ』か?ってね。

 こうなると『イ』で首を横に振ったのもボディーブローのように効いてくる。

 『イ』かと思ったけど、あいつはそれを否定して『エ』で反応した…じゃあここはやっぱり『エ』なのか…ってね」

すると「ええ~」「う、うわー…」とクラスはいろんな反応。

「しかも、鉛筆が机にあたる音…、あれでバレないように答えをひっそり書くんだ。音を立てないように。

 あとは逆もね。逆ってのは音も使うってこと。慎重に画数を合わせてね…。

 ほら、『エ』は3画、『イ』は2画でしょ。

 『エ』で演技しているのに、カンカンと『イ』の2画、つまり鉛筆のあたる音が2回では不審に思われるだろ。

 だから、『イ』と書いてもう一回、どこかに点を打って、きっちり3画に仕上げる。

 そこまでやらないと優秀なあいつには見破られると思ってね」

「うわーー!!」と男子。女子は幾分引いています。

「なんか引いてるみたいだけどさ…まあ、確かにちょっとおかしいよ(笑)

 でもとにかく、俺はそのぐらい勝ちたかったってこと。

 お前らのように『どうせ無理』とか言って死人のような暮らしを送るのはまっぴらゴメンなの。

 もちろん、そのあと1位を取るようになってからはやってないよ。

 そこまでくるとさ…他人というより自分との勝負だからね。

 おー、自分との勝負…カッコいいなこれ(笑)」

「どこが!」女子が笑いながらツッコミを入れます。

「とにかくさ、無理はやめてよ無理は…。それ聞くとなんかさ…教えてて空しくなってくるんだよ…」 

そう言って男子チームの方を見ると、否定はしないけど苦笑いを浮かべています。

「俺は『もっと点を取りたい』『もっと上に行きたい』と思う人と組みたいんだ。わかったな!さあ、では今日のところを始めよう!」

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ジャンル : 学校・教育

プロフィール

hyperlearnig

Author:hyperlearnig
<塾長> 工藤 豪

大学卒業後、半導体エンジニアの道へ進む。
2年後脱サラし、生徒らとの一喜一憂をもとめて2000年に塾を設立。

地域の学力に貢献しているかは不明も、成績を伸ばしたいと考える彼らのために日夜奮闘中!

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