社会はカネで動いている
中3に社会を教えていたときのこと。
「…ということで、マレーシアは輸出のメインが天然ゴムから
機械類に変わっていったわけだが…」
そこであたりを見回して言いました。
「どうして機械なんだろ?」
すろと、どうしてって言われても…みたいな表情を見せる生徒たち。
社会は暗記だとよく言われますが、
「マレーシアの輸出1位は『機械』。はい覚えましょう!」
と言って覚えられるものではないため、記憶させるには彼らの感情に訴えかける必要があります。
「農作物じゃあね…豊かにはなれないんだよ。
だから彼らは考えたんだ。『どうして同じアジアなのに日本はあんなにリッチなんだろう?』って。
そして気づいた。農業じゃない、工業だ!ってね。
だからね…機械を売るようになったのは…カネがほしいからなの。
豊かになりたいから日本をまねて機械作りを始めたんだ」
それを聞き、ニヤリとする彼ら。
その後、授業はアメリカの話に移り…
「…ということで、南米からの移民をヒスパニックと言うんだ。
…ところで、なんで彼らはいちいちアメリカへ引っ越すの?」
と、ある男子に疑問を投げかけると、彼は微笑しながら言いました。
「……亡命?」
「えっ?ぼ…ボウメイ?」思わぬ答えに、こらえきれず大爆笑。
「お…おまえなぁ…、ロシアの科学者じゃないんだからさ…亡命はないだろ!それじゃなにかい、ヒスパニックは誰かに命を狙われてんの?CIAあたりに『亡命を頼む』って依頼したりして?あー腹イタイ…」
全員が爆笑する中、次の人に当てると、
「えー…引っ越したい…から?みたいな…」
「だから、それがなんでアメリカなんだよ」
「えーわかんない…」
「はい次の人っ!」
「えーっと…逃げ…た?」
「逃げたぁ?…いったい何におびえてるんだよ!違う!はい次っ!」
そうやって次々当てるも答えは出ずじまい…。
「だから…さっきも言ったろう?カネなんだよっ!
アメリカンドリームをつかむためなの。」
それを聞いてまたまたニヤリとする彼らたち。
中には「うわー…」と言って、あたりとヒソヒソしながら、人をさげすむような眼差しを送ってくる人も…
「ちょっと…なになに?
なんか俺がいやらしい…みたくなってんだけど…」
その後、日本地理の促成栽培の話へ…。
「…というわけで、高知や宮崎は温暖な気候とビニルハウスを利用して…はい、このあとは誰かに言ってもらおう」
そういって、ある生徒に当てると、
「はい。え~っと…冬に野菜を大消費地に向けて出荷します」
「ほう、素晴らしい。
『大消費地』なんてなかなか言えないよ。さすがだねー。
ただ、ひとつ重要ワードが抜けてるな」
そう言って再び当て返すも、なかなか思いつかない様子。
そこで「どうして冬なの?」とヒントをやると、
その女子は、あっ!と言って、笑顔で答えました。
「冬は利益が大きいから」
「そうそう。テストだったら『もうけの大きい冬に大消費地に出荷』と答えなければならない。
つまり何のためかというと?」
すると、全員が笑いながら一斉に言いました。
「カネのため!」
「そうだ。よくできたな^^。
去年、この問題やったら、『冬に食べたい人もいるから』とか『みんなに分けてあげるため』みたいな答えがあったけど、そんな幼い少女のような答えはやめてね。世の中、カネで動いてんだから。」
あたりは相変わらず笑いに包まれていますが、手前の男子生徒が隣に耳打ちするのが聞こえました。
「今でしょ!の先生がいるけど、工藤先生はカネでしょ…だ^^」
「おいおい、だから俺じゃねえって!
そういうのやめて!
世の中の話してんの!
言っとくけど、俺はカネなんかより上がいっぱいあるから!」
…えっ?なにかって?
え~…たとえば、なんだろ…
…そりゃまあ…ええっと…ええっと(ああダメだこりゃ…)
「…ということで、マレーシアは輸出のメインが天然ゴムから
機械類に変わっていったわけだが…」
そこであたりを見回して言いました。
「どうして機械なんだろ?」
すろと、どうしてって言われても…みたいな表情を見せる生徒たち。
社会は暗記だとよく言われますが、
「マレーシアの輸出1位は『機械』。はい覚えましょう!」
と言って覚えられるものではないため、記憶させるには彼らの感情に訴えかける必要があります。
「農作物じゃあね…豊かにはなれないんだよ。
だから彼らは考えたんだ。『どうして同じアジアなのに日本はあんなにリッチなんだろう?』って。
そして気づいた。農業じゃない、工業だ!ってね。
だからね…機械を売るようになったのは…カネがほしいからなの。
豊かになりたいから日本をまねて機械作りを始めたんだ」
それを聞き、ニヤリとする彼ら。
その後、授業はアメリカの話に移り…
「…ということで、南米からの移民をヒスパニックと言うんだ。
…ところで、なんで彼らはいちいちアメリカへ引っ越すの?」
と、ある男子に疑問を投げかけると、彼は微笑しながら言いました。
「……亡命?」
「えっ?ぼ…ボウメイ?」思わぬ答えに、こらえきれず大爆笑。
「お…おまえなぁ…、ロシアの科学者じゃないんだからさ…亡命はないだろ!それじゃなにかい、ヒスパニックは誰かに命を狙われてんの?CIAあたりに『亡命を頼む』って依頼したりして?あー腹イタイ…」
全員が爆笑する中、次の人に当てると、
「えー…引っ越したい…から?みたいな…」
「だから、それがなんでアメリカなんだよ」
「えーわかんない…」
「はい次の人っ!」
「えーっと…逃げ…た?」
「逃げたぁ?…いったい何におびえてるんだよ!違う!はい次っ!」
そうやって次々当てるも答えは出ずじまい…。
「だから…さっきも言ったろう?カネなんだよっ!
アメリカンドリームをつかむためなの。」
それを聞いてまたまたニヤリとする彼らたち。
中には「うわー…」と言って、あたりとヒソヒソしながら、人をさげすむような眼差しを送ってくる人も…
「ちょっと…なになに?
なんか俺がいやらしい…みたくなってんだけど…」
その後、日本地理の促成栽培の話へ…。
「…というわけで、高知や宮崎は温暖な気候とビニルハウスを利用して…はい、このあとは誰かに言ってもらおう」
そういって、ある生徒に当てると、
「はい。え~っと…冬に野菜を大消費地に向けて出荷します」
「ほう、素晴らしい。
『大消費地』なんてなかなか言えないよ。さすがだねー。
ただ、ひとつ重要ワードが抜けてるな」
そう言って再び当て返すも、なかなか思いつかない様子。
そこで「どうして冬なの?」とヒントをやると、
その女子は、あっ!と言って、笑顔で答えました。
「冬は利益が大きいから」
「そうそう。テストだったら『もうけの大きい冬に大消費地に出荷』と答えなければならない。
つまり何のためかというと?」
すると、全員が笑いながら一斉に言いました。
「カネのため!」
「そうだ。よくできたな^^。
去年、この問題やったら、『冬に食べたい人もいるから』とか『みんなに分けてあげるため』みたいな答えがあったけど、そんな幼い少女のような答えはやめてね。世の中、カネで動いてんだから。」
あたりは相変わらず笑いに包まれていますが、手前の男子生徒が隣に耳打ちするのが聞こえました。
「今でしょ!の先生がいるけど、工藤先生はカネでしょ…だ^^」
「おいおい、だから俺じゃねえって!
そういうのやめて!
世の中の話してんの!
言っとくけど、俺はカネなんかより上がいっぱいあるから!」
…えっ?なにかって?
え~…たとえば、なんだろ…
…そりゃまあ…ええっと…ええっと(ああダメだこりゃ…)