「先生・・・・・・・・・。この前の・・・実力テスト・・・・・・返されました・・・」
「おいおい、どうした、そんなに暗い声で」
「数学悲惨でした・・・。あ~、終わった・・・。ダメだ、もうわたし・・・。生きていけない・・・」
「おいおい、なに言ってんの!この時期の実力テストなんてそんなもんだって」
「ダメ、もうダメっ・・・。わたしは・・・数学できないのっ!」
「はぁぁぁぁ・・・いるんだよなあ、毎年毎年お前のような落ち込み屋さんが・・・。なんでそんなに自分に自信ないの?」
「だって全然わかんないんですもん・・・」
「だから勉強するんだろ?こんなことでいちいち落ち込んでいたらこれから先大変だぞ。あいつのように・・・」
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タメになるホラー話
第8話「御手 学理(みて がっくり)」友人「おう、御手!お前、今回の実力どうだった?俺、かなり上がってさ~!イヤッホ~!!」
(いいなあ、それに比べて俺は・・・)
先生「では次。ここは超基本問題だ。こんなのは絶対取らなきゃダメだぞ」
(はぁ~あ・・・オレはミスってるし・・・)
母親「学理!アンタ、ちゃんと勉強してんの?何なの、この英語の点数は!」
(そんなこと言われなくても分かってるよ・・・ブツブツ・・・)
恋人「ねえ、学リン、ちゃんと私の話聞いてるの?なんかつまんな~い」
(あ、ごめん・・・テストで落ち込んでて・・・)」
判定「C判定―あなたの現在の成績では合格はまずもって無理でしょう―」
(えっ?!ウソだろ・・・ウソだ・・・ウソだ~~~っ!!)
「…と、そこで目が覚めたんです・・・。先生、次の『実力テスト』、オレもう怖くて怖くて・・・。どうしたらいいでしょうか」
「お前はホント小心者だなあ。まあ、テストが返されても何も感じないあそこにいる穂多良よりはマシだけど・・・」
「はあ・・・ダメだ、オレ・・・。どこも受からない・・・」
「そんなことないって。お前、今すごくがんばってるじゃん。理社の問題集は半分以上終えているし、英語の単語テストも好調だ。大丈夫。穴はほぼ埋まりつつある。次で結果が出るかは分からないけど11月位には安定して高得点を取れるようになっているよ。志望校も大丈夫だ。今の勉強を続けていれば十分合格圏だ」
「でも、そこはこの前模試でC判定でした・・・」
「それは穴があったときの話だろ?C判定のまま入試を迎えたらそりゃ落ちるよ。あのな・・・、判定Cってのは『アンタはバカですね。この高校を受けるのはやめなさい』ってことじゃなくて、
『合格まであと何点足りません。だからもっと勉強がんばろうね。』っていうことなの。まだまだこれからなんだからさ、落ち込んでいるヒマがあったら勉強しよう」
(実力テスト後)**********
先生「はい、みんな来て~、テスト返すよ~」
御手(き・・・きた!よし落ち着いて・・・大丈夫だ・・・。動じない・・・。模試で大事なのは結果じゃなく復習・・・。落ち着いて・・・)
先生「はい、御手くん」
御手「ハ・・・ハイッ!(数学かぁ・・・ちょっと自信なかったけどなぁ・・・)うおっ!上がってるっ!うお~~っ!!」
先生「コラっ!奇声発しないっ!はい、みんなどんどん取りに来て~」
御手「英語も国語も上がってるっ!社会は・・・きゅ・・・95!キタ~ッ!これは初のA判定じゃねぇの?!フフフ、でもちょっと理科が怖いんだよな~(笑)」
先生「はい、理科25点。がんばれよ。あ、これ判定な」
御手「に、に、に・・・、にじゅうご・・・マジ・・・?
は、は、判定は・・・・・・『C』!
シー・・・、シー・・・、シシッ、シシシシ、ケケケッ」
先生「おい・・・?御手っ?御手~~~~~っ!」
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「えっ!そ・・・それでどうなったんですか?!」
「結局・・・、落ち込みグセが治らず、それを境に壊れてしまったな・・・。あのあと理科に採点ミスがあったのが分かり、理科80点、判定Aになったのに・・・」
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